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「岸くんはよく成長した！今では期待の星なんて言われちゃってさ〜先輩は嬉しいよ」
岸「何回聞いても嬉しいんですけど、さっきからその話しかしてないっすよ。もう呑みすぎなんで！そろそろ出ましょう」
店に入ってから2時間半後、あまりお酒に強くないAさんはベロベロに酔っ払っていた。
酔うと、大きな声で何回も同じ話を繰り返すのがAさんの悪い癖。
こうなると面倒だから、お冷頼んで飲ませてたつもりだったんだけど。
なぜか、今日のAさんはペースが早くて、量も多かった。
俺に気を許してくれてたのか、それともあの件のせいなのか、鈍感な俺には分からない。
手早く会計を済ませて、椅子に座ったままのAさんの元に駆け寄る。
岸「Aさん、帰りますよ」
「はあーい」
普段、冷静でしっかりしているAさんが、酔うとぽわぽわして舌っ足らずになるのがずるい。
Aさんが立ち上がった拍子にふらついて、俺に向かってくる。慌てて、肩を抱いて支える。
たったそれだけのことで、かあっと頬が熱くなる。
「ごめんね〜」
岸「危ないから気をつけてくださいね」
「わかってるよ」
岸「ほら、行きますよ」
腕を引っ張って玄関を抜ける。
その日は丁度冷え込みが強くて、少し吹いた風が頬を冷やしてくれた。
「あー、カラオケしたいな」
岸「えーカラオケですかあ」
眉をひそめてAさんの顔を覗く。
「嫌そうな顔をするな！いいじゃん。岸くんは歌上手いんだし」
岸「俺が歌うのはいいんすけど、Aさん、同じ歌何回も歌うじゃないですか」
Aさんの酒癖はもう1つあって、酔うと高確率でカラオケに行き、十八番を何回も聞かされる。
でもって、本人は翌日全く覚えてないらしいので、タチが悪い。
「だって、まだ帰りたくないんだもん」
岸「しょうがないなあ、じゃあ付き合いますよ、カラオケ！」
「おっし、いこー！」
意気揚々と前を歩くAさんの後ろを、
渋々といった感じでついていく。
だけど、本当は『帰りたくない』と甘えられた一言がすごく嬉しかった。
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ぷぅ∞(プロフ) - sikiさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです(,,> <,,) (2022年11月3日 23時) (
レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - 好きです。（（真顔））好きです！！！！！！！ (2022年11月3日 8時) (レス) id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2021年5月5日 18時
