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その日の営業の外回りを終え、事務仕事をやるために会社に戻ってきた。
時刻は21:00。今日は誰も残っていない。
椅子に座って一息ついた瞬間に、午後は一度も思い出さなかった昼休みの後輩の一言が、頭をよぎる。
『好かれてるというか、loveの意味の好きだと思いますよ？』
「loveの意味の好きって……」
誰もいないと油断して、独り言を呟いたのがいけなかった。
廉「もしかして、恋愛のお悩みですか？」
突然現れた永瀬に驚いたが、そんなふりを見せないように冷静に応える。
「ああ、永瀬。おつかれ」
廉「Aさんの方こそ、お疲れ様です。こんな時間までよく頑張りましたね」
永瀬に負けたくないから、と言いたかったけど、先輩としてのプライドが邪魔して言えず。
「ありがとう」
廉「それより、悩み事ありそうでしたけど聞きましょうか？loveの意味の好き、みたいなこと呟いてましたよね？」
どこに居たのか知らないけど、独り言を正確に聞き取れる永瀬の地獄耳は半端ない。
「いや、永瀬に言うことじゃないし」
突き放すようなその一言に、永瀬も困惑した顔を見せた。
廉「誰かに告白されたとかじゃないですよね？」
告白という聞き慣れないフレーズに耳を疑う。万が一にも無い。
「違うけど」
その答えが嬉しかったのか、永瀬は満面の笑みを浮かべた。
廉「そっかー、良かった。先越されたかと思ってヒヤヒヤした。Aさんモテるから」
「モテないし」
私が吐き捨てた言葉で、永瀬の表情が一変した。
廉「もー、分かってないなぁ。じゃあ、この際言いますけど、Aさんが俺のこと良く思ってないの知ってます。でも俺Aさんのことめっちゃ大好きで、付き合いたいと思ってます」
セットした頭をグシャグシャと掻きながら話す永瀬。怒った顔、初めて見た。
廉「俺、付き合ったらAさんのことすっごく大事にします。それこそ永遠に大切にします。返事は待つので、考えてください。いきなりすみません。今日はこれで帰るんで。お疲れ様でした」
矢継ぎ早に言葉を紡いだ永瀬は、風のように去っていった。初めて見た表情が忘れられなくて、告白の言葉は耳からすっと抜けていった。
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翌日はいつも通りにやってきた。
出社し、朝礼を終えると人がばらつくフロア。永瀬も私も外回りで顔を合わせないのが好都合だ。
今日は直帰にしようと、部長に報告を入れて営業へ出た。
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ぷぅ∞(プロフ) - sikiさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです(,,> <,,) (2022年11月3日 23時) (
レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - 好きです。（（真顔））好きです！！！！！！！ (2022年11月3日 8時) (レス) id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2021年5月5日 18時
