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目の前に飛び込んできたのは、岸のドアップと薄暗い照明の光だった。
私が起きたことに動揺している岸。
岸「わ、ごめん、起こした？」
「起きたけど、」
私が口を開くと、バッと顔の距離が離される。その後、左頬に添えられていた手も離れた。
岸「あの、寝込みを襲おうとしたわけじゃなくて！俺、寝てる子を襲うほどやばいやつじゃないし、その誤解しないで欲しいんだけど」
岸は右手で自分の体を支えながら、慌てて言い訳をしている。だけど、そのどれもが訳が分からなくて、先程までの緊張が嘘かのように笑った。
「いいよ、別に」
私がそう言うと、岸は起き上がりベッドの上で正座をした。
岸「勝手にキスしてごめん。あの、本当は俺」
「ちょっと待って、私も起きる」
正座する岸に合わせて、私も体を起こして正座した。
ベッドの上で対面して正座するのなんて、人生で初めて経験する。いや、経験する人の方が少ないか。
よく分からない緊張感の中、岸は下を向きながら話し始めた。
岸「俺も自覚してなかったんだけど、その、課長に言われてから自覚したっていうか」
「うん」
岸「俺、Aと一緒にいて楽しいし、楽だし、居心地良いし、うん、その何て言うかな」
感情が上手くまとまっていないのだろう岸は、空を見ながら慎重に言葉を選んでいる。
岸の言葉を聞いていると、入社してからの岸との時間が思い出される。
入社式でぎこちない挨拶を交わしたこと、歓迎会で岸と一発芸対決させられたこと(もちろん勝った)、仕事が上手く行かない時飲みに行ったこと、珍しくオフに2人でご飯行った後カラオケオールしたこと(馬鹿かよ)……。
「私も岸といると、そういう気持ちになるよ」
そう同意すると、岸はキョトンとした後に、思い切り頷きながら満面の笑みを浮かべた。
岸「え、まじで？そっか、そっか。俺と同じか！」
「うん」
急にテンションが上がる岸に圧倒される私。それに構わず、岸は話を続ける。
岸「で、それってどういうことか考えた」
一瞬、部屋中がしんと静まりかえって、次に発せられる言葉を待った。
岸「一つ思いついたんだけど、たぶんそれ、好きってことだなと思って。そしたらAがめちゃくちゃ可愛く見えてきて、抑えきれなかった、みたいな？」
ここで、岸の感情の波についていけなくなった私の思考回路はパンクした。
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ぷぅ∞(プロフ) - sikiさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです(,,> <,,) (2022年11月3日 23時) (
レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - 好きです。（（真顔））好きです！！！！！！！ (2022年11月3日 8時) (レス) id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2021年5月5日 18時
