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岸「ま、こういっちゃなんだけど、考えたことなかったなー。Aとそういうの」
「でしょ。岸は考えたことないと思った」
岸「逆にAはあんの？」
「ないよ」
岸「だよなー」
岸はそう言って、後ろに手をついて仰け反った。河原にいる少年みたいだ。
「でも、課長に言われて気づいた。そういえば、岸って男だったんだなぁって」
岸「なんだよ、それ」
「岸も思ったでしょ、身近に女居たんだって」
岸「……ちょっと？」
岸は少しバツの悪そうな顔をして、右手の親指と人差し指で、ちょっとを表現した。
「いや、それちょっとじゃないじゃん！」
私が岸につっこむと、岸は笑いながらこう言った。
岸「いや、ごめん、ごめん、盛った。だけどさ、俺、正直Aと付き合うのもナシじゃない、かな、って思うけど」
課長の話を聞いた時には、そんな馬鹿な話、と確かに思った。だけど岸に関して、アリかナシかで言えば、正直アリだと思う。
だから、今は課長の馬鹿話に乗ってもいいかな、とちょっとだけ思ってる。
「それは分かる。じゃあ、課長の言ってたこと試してみる？」
私の言葉を聞いても、岸は何のことかぴんと来ていないらしい。
岸「は？どういうこと？」
「私達、1回恋愛できるかどうか試してみない？」
ここまで言って、やっと岸の頭の中で、さっきの話と繋がったらしい。目を見開いて驚いている。
岸「それって」
『今夜、岸にあげるよ』
私が耳元で囁いた台詞を聞くやいなや、岸はぷっと吹き出した。
岸の顔から耳までが真っ赤なのは、アルコールのせいか、私のせいなのか分からなくなった。
岸「お前、それ本気で言ってんの」
「本気だけど」
酒の勢いで言ってるから、本当は半分くらい冗談だけど、岸は乗ってくるのか、ある意味賭けだった。
岸「いや、俺、そういうのは良くないと思うんだ」
賭けの結果は予想通り。真面目な岸らしい返答だ。ここで、少し粘ってみる。
「なんでよ」
岸「最初はデートからじゃん？」
「普通だったらね、でも、もうお互いに気を使ってデートするような間柄じゃないじゃん」
岸「そ、そうだけど、」
固い思考の岸に説得していると、岸〜、と誰かが岸を呼ぶ声が聞こえた。
岸「ごめん。あっち行ってくる。また後で」
一人取り残された私は、この後への期待半分、何も起こらないだろうと冷めた気持ち半分で、一次会終了の時刻を待った。
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ぷぅ∞(プロフ) - sikiさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです(,,> <,,) (2022年11月3日 23時) (
レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - 好きです。（（真顔））好きです！！！！！！！ (2022年11月3日 8時) (レス) id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2021年5月5日 18時
