好奇心と小さな勇気《Ren.N》 ページ15
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「ねぇねぇこれってなに」
昔馴染みの同級生のAが手に持っているのは、薄いビニールに包まれた小さな袋。
男だったら大抵ひとつは持ってて、俺がこの部屋でAに触られたくないものランキングトップ3に入るもの。
財布に入れる人が多いらしいけど、高校生の俺はベッド近くのティッシュ箱の下に挟んどった。
床に座っていた俺は落ちてるのに気づかんかったけど、ベッドに腰掛けていたAは目ざとく見つけたらしい。
なにかの拍子で落ちたのか、Aが不思議そうに見つめている。
廉「あー、なんやったけ。分からんから捨てるわ」
動揺した心を抑えて、Aの手からそれを取ろうと近づく。
「えー、開けてみようよー」
なんてことを言い出すんや。
Aにだけはこの中身を見られたくないから、慌てて嘘を見繕う。
廉「あー、思い出した。お菓子や。飴が入っとって、でも1年以上前のやから食べられんわ」
「へー」
廉「ゴミ箱に投げるから貸し」
片手を伸ばし受け取ろうとしても、Aは手から離さずそれを照明の光にかざした。
「もしかしたらまだ大丈夫かもよ」
廉「は？」
今度こそ大きな声で驚いてしまった。
なんでそんなに執着しとんねん。
本当は中身に気づいてて、俺をからかってるんか？やったらタチが悪い。
廉「その中身、何が入ってるんかほんまに分からんの？」
「飴、じゃないの？」
廉「うん、分からんなら俺に渡して」
「はい、と渡すとでも思ったか」
なぜか得意げなAはそれを俺に渡すことなく、後ろ手に隠した。
廉「中身、教えたってもええけど、多分引くで？」
「え、そんなやばいやつなの」
廉「やばくはないけど」
「クスリとか？」
廉「ちゃうわ、アホか」
「だったらいいじゃん、開けようよ」
Aは目の前で勢いよくビリッと袋を開け、中身を取り出そうと指を突っ込んだ。
さすがの俺も嘘を突き通せなくなって、本当のことを言う羽目になった。
廉「あー、もうそれゴムやから」
せめて中身を見られないように、早口で言った。
「え？」
廉「ゴム。あれの時に俺が付けるの」
「あ、そういうやつか」
一気に頬が紅くなる。俺もAも。
でも、俺はこんなピンチもチャンスやと思う。
やって、今まで「ただの友達」としか思われていないこの関係を崩すには、インパクトのあるイベントが必要やん。
俺が男だって意識させるイベントが。
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ぷぅ∞(プロフ) - sikiさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです(,,> <,,) (2022年11月3日 23時) (
レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - 好きです。（（真顔））好きです！！！！！！！ (2022年11月3日 8時) (レス) id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2021年5月5日 18時
