相合傘《Sho.H》 ページ1
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彼の笑顔が好きだ。
整った凛々しい顔が、一気に崩れてくしゃっとなるその瞬間がたまらなく好きだ。
今いる教室の隅から眺める"彼"とは、同じクラスの平野紫耀くん。
クラスの中心人物でいつも周りに人がいて、私とは世界線が違う人。
彼は優しいから、きっとそんなこと思ってないだろうけど。
彼は誰に対しても本当に優しい。
誰かが困っていると、誰でも、どこでも、どんな状況でも、すぐに助けてくれる。
そんな途方もない優しさに救われ、心を奪われる女子は多い。
私も、その女子の中の一人だった。
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きっかけは、とても些細なこと。
とある、宿題を家に忘れた日。
なぜかその日だけ、教科の先生の機嫌が悪くて、きつめに怒られてしまった。
落ち込んでいた矢先の昼休み、弁当袋に箸が入れ忘れられていて、箸を貰いに購買まで走った。
今日、ついてない。
午後は大人しく過ごして、帰ろうと玄関を出た途端、予報では快晴だった空が暗くなり、大粒の雨が落ちてきた。
もちろん、傘は持ってきていない。
冬の雨は冷たいから大嫌いなのに。
「なんだ、今日は最後までついてないじゃん」
思わず独り言を呟くくらい、自分の運の無さを恨んだ。
こんな時に友達がいたら、笑って済ませれるのに。
普段から人付き合いを避けてきた結果、親しい友達は3人。その3人とも、それぞれ部活や塾やらがあって、決まって一緒に帰る人はいない。
今日は、丁度一人で帰る日だった。
小さなことの積み重ねだったけど、すごく気分が重くなっていて、雨が降っているのを眺めていると、瞳に涙が溜まってきた。
雨の中、ずぶ濡れで帰る覚悟を決めたその時、横から特徴的な声で話しかけられた。
紫耀「あの、傘持ってます？」
「え？」
紫耀「傘。持ってないでしょ？」
「えっと」
一言も話したことは無いのに、顔を見なくても、声ですぐに平野くんと分かる。
ただ傘を持っているかどうか聞かれただけなのに、『どうして私なんかに声かけたのか』とか、『持ってないと言ったらどうなるのか』とか、余計なことを考えていたら、平野くんは目の前で思い切り笑った。
紫耀「俺、そんなに困る質問した？」
「し、してないです」
紫耀「あは、だよね？」
こんなスクールカースト底辺の私に、微笑みかけてくれる人気者の平野くんが眩しすぎて、言葉が詰まる。
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ぷぅ∞(プロフ) - sikiさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです(,,> <,,) (2022年11月3日 23時) (
レス) id: 0b53292451 (このIDを非表示/違反報告)
siki(プロフ) - 好きです。（（真顔））好きです！！！！！！！ (2022年11月3日 8時) (レス) id: 3fe02dba58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2021年5月5日 18時
