Case.4 ページ9
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月9と言えば恋愛モノ？いやいや、今は刑事ものだ。
バラエティでお馴染みの関ジャニ∞の横山裕くんが出演している。
美白なお肌、スラリと長い足、キリッとした表情。美の象徴。
今日は1人でドラマ鑑賞だ。思う存分独り言を言える。
健人はと言うと、友達と夏休み明けテストの打ち上げでカラオケに行っているらしい。
夏休み明けテスト位で打ち上げって、と思ったのは私だけではないはず。
ま、健人は関係ないので、今は目の前の横山くんに集中しよう。
今回はバスケ部のコーチに変装している。高校生役の道枝くんと1on1をしているシーンは永久保存版だ。これで35歳を超えているというのだから、美の暴力。
「はぁ、横山くんと会えたり出来ないかな」
こんなに美しいと、会えるだけで胸がいっぱいになりそう。
ここで、健人がいないかどうか再確認。気配が無いことに一安心して、視聴を再開する。
横山くんがバイクに乗り込んで、犯人の所へ向かうシーン。
「めちゃくちゃかっこいい。あの唇に吸い付きたい」
1人で見てるとはいえ、さすがに大胆なことを言ってしまった。今のを健人に聞かれていたら、散々責められただろう。危ない。
って、健人がいない時に健人のことをこんなに考えてるって、私、おかしい。
ドラマを見る時は隣に健人がいることが当たり前になりすぎて、いない時が変。
なんか依存しているみたいで怖い。
健「ただいま」
そこにタイミング良く健人が帰ってきた。
「ただいま、って健人の家じゃないけどね？」
健「俺の第2の家だから」
「ま、そんなもんだけど」
健「そのドラマ、俺も見る」
学ランのままソファにぼふっと座る健人。
隣にいることになぜか安心して、人一人分空いてる距離を、人0.5人分に詰めてみた。
健「どうした？」
「なんかこういう気分」
健「そっか。じゃあ俺も」
健人はそう言って、人0.5人分の距離を人0人分にした。
「そういう気分？」
健「うん。嫌だったら離れて？」
「今日だけはこのままでもいいよ」
健「ほんと？」
「うん」
健「ハグしてもいい？」
「暑くない程度なら」
健「その時は冷房かける」
口の端がにやっと上がった健人は、顎を肩に乗せて、腰に手を回してきた。
健「今日のAは素直だね。いつものツンデレAちゃんも好きだけど、素直なAの方がもっと好きだよ」
耳元でそう囁かれると、画面に集中できなくなって、顔の表面が一気に火照ってしまった。
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年8月19日 13時
