Side story at school.1 ページ8
・
夏休みが明けて、久しぶりの学校。
課題は前日の23:59に終わらせ、しっかり6時間睡眠を取れたので、私は勝ち組。
自分の席に着くと、知らない子に囲まれた。
『あのAちゃんと健人くんってどういう関係ですか？』
「えっと、どちら様ですか？」
『健人くんと同じクラスの者です』
健人は昔からモテていたから、この手の質問は聞き慣れている。
いつも通り、友達だと言うことにしよう。
「友達ですけど」
『友達にしては仲良すぎじゃないですか？』
なぜか喧嘩腰の彼女たち。
そういえば、今朝は健人が迎えに来て一緒に登校した。
健人は朝から肩を組んできたり、電車の中で小指だけ繋いできたり、ハイテンションだったな。
「幼馴染ってだけなので」
『皆の健人くんなので、ベタベタしないでください』
「了解です」
モテる友達を持つと、意外と面倒。
私の前での健人はヘンテコなのに、学校では皆の王子様なんだよね。すごい不思議。
「ね、アリスも健人のこと王子様だと思う？」
親友のアリスに聞いてみる。
『うん、王子様なんじゃない？かっこいいし、優しいし』
「やっぱりそうだよねー」
『誕生日にラインきたことあるし』
「え、そうなの？」
『うん、覚えててくれたみたい』
「ていうか、いつの間に健人とライン交換したの？」
アリスと健人は親しくないと思ってた。
『入学した時に、Aの友達でしょ？ライン交換しよ、って言われた』
「へぇー」
『Aの近況とか送ってるよ』
「え」
『Aのことで相談受けてるし』
「まじで」
『まじで』
「知らなかった」
『でも、夏休み中に進展したんだよね？』
「進展？してないよ」
『告白したって言ってたけど』
「あー、うん」
『健人くんがAに会えない期間、すごい愚痴ってたよ』
「そっか……って結構仲良さそうだね。会ったりもしてるの？」
『あ、その期間に一回だけ2人でお茶した』
「そっか。健人が迷惑かけてごめんね」
『ううん、大丈夫』
私の知らないところで親友と健人が2人きり……
別に悪くないんだけど、私だけ知らなかったことに疎外感を感じてちょっとブルー。
『あ、健人くんのこと好きだからお茶した訳じゃないよ？そこは心配しないでね』
「だったら、ますます迷惑かけたね。本当ごめん」
『早く2人がくっついてくれるのが1番だけどね』
アリスだけは私の味方だと思ってたのに。私の気持ちは空に浮いたままだ。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 280人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年8月19日 13時
