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Date with Kento6 ページ9








健「そうだ、お茶入れるね」

「ありがとう」


健人くんが挿れてくれたのは、ローズヒップが入ったブレンドティー。


健「あとは好きなだけはちみつ入れてね」


ハーブティーなんて飲んだことないよ……健人くんオシャレすぎ。

はちみつを多めに入れて一口飲んだ。


「おいしい」

健「良かった。見たい映画借りてきてたんだけど、一緒に見ない?」

「うん。見る」


DVDは一時期流行った、感動系の恋愛映画らしい。感動系に弱くて、すぐ泣いちゃうから心配。









案の定、映画が終わる頃には、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。


マリ「Aちゃん、せっかくのメイクが台無し……」


後ろでマリちゃんのそんな声が聞こえているけど、しょうがないじゃん。

隣の健人くんも見ている最中、涙を拭くくらい感動する映画だったんだから。


健「すごい良かったね」


その時、こちらを向いた健人くんはあまりに泣きすぎている私に初めて気づいたようだ。


健「A、大丈夫?」

「大丈夫。ちょっと涙もろいだけだから」


心配そうな顔をした健人くんは、右手の親指で私の頬を撫で、左手で背中をさすってくれる。

距離の近さに、心臓がバクバクし始める。


健「女の子が泣いてるの見るの駄目なんだよね、俺」


そう言える健人くんって本当に心が綺麗だな、と思う。

一方、私は涙も止まらないし、緊張で体が強ばるしで、その場で返事をするのも、動くことも出来なかった。

健人くんの心地よい体温に癒されつつ、気持ちが落ち着いてくる。

すると、健人くんの右手が頬から耳を通って、後頭部に回った。

次の瞬間、一気に距離が縮まって、私の唇と健人くんの唇が触れた。

一瞬の出来事で、それがキスだと分かるまでに数秒かかった。

驚いて、シャキッと背筋が伸びると、健人くんは、ぱっと体を離した。


健「ごめん、驚かせたよね?Aが可愛くて、つい。泣いてると余計にほっとけなくて」

「そうなんだ」


先程の出来事に戸惑いを隠せない私は、健人くんの顔を見れず、俯いてしまう。


健「本当にごめんね」


健人くんが悪いことをしたわけじゃないのに、謝ってくれることに心が痛い。

実際、驚きが上回ったけど、嬉しかったし。


「健人くんが慰めてくれたの、すごい嬉しいよ」


私の言える精一杯の言葉を伝えると、健人くんは安堵の表情を浮かべた。






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作者名:ぷぅ∞ | 作成日時:2018年7月28日 2時

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