Final night5 ページ16
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まもなく、時計の長針と短針が重なろうとしている。それは天使たちとのお別れの時間を告げていた。
天使たちがいなくなる実感が無いまま、時間だけが過ぎて心臓の鼓動が早まる。
「もうすぐ、だね」
聡「緊張してる？」
「緊張するよ」
天使たちには私の緊張はお見通しで、クスクス笑われている。
勝「ふふ、もっと気丈にしててよ」
「出来ない」
無謀なことを言う勝利を睨むと、マリちゃんが肩を叩いてリラックスさせてくれようとした。
マリ「一瞬のことだから、何も考えなくて大丈夫」
「やっぱり嫌だな、みんなと離れるの」
どんなに決断するまでに悩んでも、自分の選択に自信が持てなくてついつい弱音が出てしまう。
沈んだ気持ちになると、マリちゃんにびしっと釘を刺される。
マリ「今更何言っても駄目だよ」
「ごめん」
勝「また会えるから」
泣きそうになるのを堪えると、目の前の勝利が笑ってそう言った。
また会える、暗示をかけるように何度も唱えて自分を安心させる。
すると、自然と笑顔に変わった。
「そうだよね。今まで本当にありがとう」
聡「こちらこそ」
勝「ありがとう」
マリ「ありがと、Aちゃん」
最後に感謝の気持ちを伝えると、笑顔の天使たちから返答をもらって、出会えて良かったと強く感じた。
勝「またね」
その勝利の声を最後に聞いて、私は意識を手放した。
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翌朝、いつも通り何度目かのアラームで目覚める。
何か大切な夢を見ていた気がするけど、何を見ていたのか、何を忘れたのか、全くわからなかった。
部屋の中もガランとした印象を受けたけど、一人部屋で特に変えた所はないから気のせいか。
階段を下りて朝食を食べる。
当たり前の朝、当たり前の日常。なのに、何か引っかかる。
その違和感の正体には気づけずに学校に向かった。
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年7月28日 2時
