Reason for returning2 ページ45
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「してたよっ」
周りの雨の音に負けないように大きな声になる。
勝「見間違いだって」
聡「喧嘩しないで、二人とも」
口喧嘩がヒートアップしそうなところを聡ちゃんがなだめる。聡ちゃんは、何かを決心した表情で、よく理解できない話を始めた。
聡「勝利、今日Aさんに全て話そうと思うんだ」
勝「なんでっ」
聡「もう限界だよ、俺たちも、Aさんも。Aさんが知らないままだと、混乱するよ」
勝「俺はまだやれるよ」
聡「勝利、自分の体ちゃんと見て。どんどん細くなってきてるよ」
勝「これは違う」
聡「ちがくない、もう長くないの、この世界にいられるのは」
勝「やだ、俺らこのままじゃ」
聡「だから、僕達のことAさんに全部知ってもらおう、その方が話早いよ」
どういう状況なのか分からないけど、1つ確実なのは、天使たちがここにいられるのはそう長くない、ということ。
「……どういうこと？」
聡「マリもいるところで話したいから、とりあえず帰ろう」
聡ちゃんがそう言うと、勝利も私も黙って家まで帰った。
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家に着くなり、夕食、風呂とバタバタと終わらせ、自分の部屋に上がった。
そこには、3人が深刻な表情で座っていた。
聡「今日はなんで僕達がAさんの元に来たのか、教えます」
ついに天使の正体が分かる、と内心ワクワクしながら、聡ちゃんの真剣な表情に少し怯えた。
勝「俺は本来の運命だったら、健人くんとAさんから生まれてくるはずだった子供」
聡「僕は風磨くんと聖さんから生まれてくるはずだった子供」
勝「それなのに、Aさんが高校生の内で怠けて恋愛しないから、俺らが魂になっちゃったわけ」
聡「それで、運命の通りに僕達が生まれてこれるように活動してるの」
二人の言っていることが理解できない。私はポカンと口を開けた。
聡「分からなくても、そういうことなの。でも、僕達は元々体を持たない魂だから、下界にいると体力的な消費が激しいの。さらに、勝利は他の人間にも見えるようになって、僕達の倍以上消費してる。もう、せいぜいあと2日しかここにはいられない」
マリ「僕は本物の天使。勝利と聡ちゃんの未来を修正するお手伝いをしているの」
益々、現実味のない話だ。そもそも、天使がここにいて、高校生活をやり直した事実があるという時点で、現実じゃないのかもしれないけど。
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年5月5日 11時
