Study English ページ41
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英語の授業は、ごくたまーにスピーキングの練習があるらしい。今日は丁度、その稀な日なようで。
『ペアを組んでください』
ペアを組むとしたら席の近い聖ちゃんか、勝利か。勝利は聖ちゃんに比べたら、友達少ないし、一緒にやってあげようかなと思ったときだった。
一番前の席の健人くんが振り返って私の名前を呼んだ。
健「Aちゃん、俺とやろ」
あまりにスマートで、ビックリする。誘われたら断れない。
「うん」
健人くんの隣の席に移動して、プリント通りにスピーキングの練習を始める。
健人くんは流暢な分かりやすい英語でゆっくり話してくれる。それに比べ、私の英語はつたなくて、何度もつまずいた。
恥ずかしさから体が沸騰したみたいに熱くなった。
健「Aちゃん赤くなってる。体調とか大丈夫？」
先生が教室内を歩き回っていて、私達を見ていない隙に、健人くんはそう言った。
「うん、全然元気」
健「緊張？」
「英語できないの恥ずかしくて」
健「そっか、でも俺Aちゃんのそういうとこかわいいと思うけどな」
「可愛くないよ」
動揺して、首を横に振ることしかできない。
健「ね、今日もお昼一緒に食べよ？」
「あ、今日はちょっと……」
実は今朝風磨くんと会ったときに、昼休み空き教室に来て、と言われていた。
健「そうなんだ、残念」
しょんぼりする健人くんを見て、今朝の勝利と聡ちゃんの言葉を思い出す。休日ミッション達成しないと。
「健人くん、あのさ、週末何するかとか予定ある？」
健「えー？」
健人くんの顔が一気に緩んだ。
健「何もないよ？」
きゅるるんと効果音がつきそうな満面の笑顔をする健人くん。週末の予定を聞くだけでそんなに嬉しい？と不思議に思う。
ひとまず、健人くんの予定がないことに安心した。けど、デートしようって言うのも違うし、皆で遊ぶのも違う気がするし、なんて言って誘えばいいの？助けて聡ちゃん！
聡「自分で考えてください♪」
聡ちゃんでさえ助けてくれない、と絶望的な気分になったとき、健人くんが口を開いた。
健「Aちゃん、デートしよっか」
デ、デート！私が悩んで言えなかった言葉を言える健人くんは、やっぱり王子様だ。
「うん！」
健「嬉しい。週末もAちゃんに会えるなんて」
「私も」
先生の見回りも私達の近くまで来ていて、無駄話は中断して、スピーキング練習を再開した。
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年5月5日 11時
