@my home ページ37
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聡「おかえり〜」
聡ちゃんの元気なおかえりが、今日だけは余計に雰囲気を悪くさせる。
聡「もしかして、喧嘩した?」
勝「してない」
マリ「してないよ」
「した」
気まずい雰囲気に耐えきれず、聡ちゃんに全て話したくなった私はそう言った。
聡「やっぱり喧嘩じゃん」
「勝利が、」
勝「俺じゃない」
マリ「勝利が悪いんだよ」
勝「マリの言うことわかんねーし」
マリ「なんでっ」
「こんな感じなの」
聡「なるほどね!分かった。緊急会議を開こう!」
「緊急会議……?」
聡「勝利はAさんにサッカー部に入ってほしい。マリちゃんも僕もAさんに自由に選んでほしい。多数決でいうと、Aさんには自由に選んでもらうことになるんだけど」
勝「なんで俺たちが、Aさんに高校生活をやり直してもらってるか考えてよ!健人くんと恋愛してもらうためでしょ」
マリ「そうだけど!サッカー部じゃなくても良いでしょ」
勝「やり直す前は、健人くんとマネージャーの聖さんが付き合っちゃってるじゃん。そういうことにさせたくないの」
聡「うん、勝利の言いたいことはよく分かったよ。これを聞いてAさんはどう思った?」
なんで健人くんに固執するのかは分からないけど、勝利の必死さは伝わってきた。
「高校生活をやり直しさせてもらってるし、サッカー部のこと真剣に考えてみようと思う」
聡「そっか。じゃああとはAさんの出した答えに二人はあれこれ口を出さないこと!分かった?」
マリ「はーい」
勝「うん」
聡ちゃんは場を収めるのが上手いなと感心した。勝利もマリちゃんも私のこと考えて言ってくれているから、私も自分のこと真剣に考えよう、と思った。
夕ごはんとお風呂を終えて、高校で初めて出た課題に取り組む。初歩的な問題ばかりですぐに終わった。
ベッドには聡ちゃんが座っていた。
「あれ、今日は押し入れじゃないの?」
聡「ほら、勝利とマリちゃん一緒に寝てるから、なんか俺も寂しくなって」
勝利のベッドを見ると、勝利とマリちゃんがくっついて寝ている。課題をやっている間に寝たのだろう。全然気がつかなかった。
聡「Aさんも寝る?」
「うん」
聡「おいで」
聡ちゃんは先に布団に入り、私の入るところを広げてくれた。
「ありがと」
聡「今日もお疲れ様。よく頑張りました」
聡ちゃんに腕枕をされて、反対側の手で頭を撫でられると気持ち良くて、すぐに眠ってしまった。
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作者名:ぷぅ∞ | 作成日時:2018年5月5日 11時