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健「お待たせ」

聖「大丈夫」

健人くんと聖ちゃんが並ぶと絵になるな、と眺めていると、勝利に肩を叩かれる。

勝「ぼっーとしないでよ」

「うん」

健「みんなは部活何にするか決めた?」

聖「私はサッカー部のマネージャーかな」

勝「俺とAもサッカー」

「え、まだ決めてないってば」

健「でも、Aちゃんが同じ部活だったら俺嬉しいな」

その時健人くんに向けられた笑顔のせいで、私に拒否権は無くなった。

「考えてみる」

健「やった。衣梨奈さんは?」

衣「私もサッカー部のマネージャーが良いな」

健「じゃあ、みんなサッカー部ってこと?うわ、楽しいじゃん」

聖「でも、私達はマネージャーの試験に受からないとね」

勝「部長に聞いた話だと、見学にたくさん来てくれるかどうかも評価の基準って言ってたよ」

「そうなんだー」

さすが勝利。情報収集が早い。

衣「明日も見学行く!」

勝「Aも明日来てね」

「……うん」

明日は一人で文化系の部活見学回ろうと思ってたのに……

健「Aちゃん、もしかして風磨にダンス部誘われてるの?」

「え、うん」

突然、風磨くんの話を振られて動揺する。

健「あまり、サッカー部に乗り気じゃないのはそっちと悩んでるから?」

健人くんは私の様子を心配してくれたようだ。悩んでる理由は違うけど。

「あの、」

弁解しようと喋る言葉を勝利に遮られる。

勝「そうなんだよ。Aは頼まれると断れない性格だから、それで悩んでるの」

健「そっかー。風磨も強引なところあるからね。俺はAちゃんの好きなことやればいいと思うよ」

「ありがとう、健人くん」

本当のことを言い出せない内に、家の近くの曲がり角に来てしまった。

「じゃあ、また明日」

3人は駅に向かうので、ここでお別れだ。

聖「またね!」

衣「バイバイ」

健「また明日!」

手を振り別れると、いつのまにかマリちゃんも勝利の隣にいた。

勝「サッカー部に入れば、健人くんと仲良くなれること間違いなしなのに」

「そうかもしれないけど。私はマネージャーよりも、自分でやるほうがいい」

勝「そしたら、健人くんは聖さんにとられるけどいいの?」

マリ「勝利。さすがにそれは言い過ぎだよ。Aちゃんにも考えがあるし、サッカー部に入らないだけで健人くんと付き合えないってことはないと思うよ」

勝「だって」

マリ「だってじゃない」

気まずい雰囲気のまま、家に着いた。









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作者名:ぷぅ∞ | 作成日時:2018年5月5日 11時

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