Lunch time2 ページ33
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風磨くんとの間に和やかな空気が流れる中、私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
勝「ねーA！ちょっと来て！」
「え？」
辺りを見回すと、廊下で勝利が袋を手に持っていた。
勝「俺のとAのジャージ間違って入ってたんだけど！」
「ほんと？今行く」
立ち上がろうとすると、風磨くんに尋ねられた。
風「あいつ、誰？」
「A勝利。親戚だよ」
勝利に言われた突飛な設定も、今じゃ普通になってきた。
風「なんでジャージ間違えて持ってくんの」
「え？手違いでじゃない？」
風「だから、なんで手違いが起こる環境なの」
風磨くんは苛立った様子だ。
「あ、同じ家に住んでるから？」
風磨くんの問いに答えると、少し苛立ちは収まった。
風「ふーん、そっか。じゃあまたあとでね」
そう言うと、風磨くんは自分の教室に帰った。私も廊下に出て、勝利と合流した。
「勝利、ジャージ今交換するから」
勝「ごめん。ジャージの話は嘘」
「え？なんで嘘なんかつくの」
勝「風磨くんと良い感じだったから、邪魔しようと思って」
「別にいいじゃん」
勝「風磨くん、本気だよ？Aはその風磨くんの気持ちに応えられるの？」
「応えられるか分かんないけど、その前に勝利が駄目って言うじゃん」
勝「じゃあ俺抜きにして考えたら、健人くんと風磨くんのうち、風磨くんと付き合うって決めれるの？」
「それは……」
風磨くんと良い感じになっても、付き合うことは想像できない。気持ちは、はっきりしないままだ。
勝「まぁ、いいよ。毎回、今みたいに邪魔できるわけじゃないし。風磨くんとは適度な距離で仲良くしてね」
「うん」
邪魔されることがあるらしいけど、風磨くんへの気持ちが定まっていない私は、勝利に何も言えなかった。
勝「話変わって健人くんなんだけど、」
「そうだ、健人くんの彼女！」
お昼に聞こうと思っていた質問だ。
勝「昨日、風磨くんとAと遊んで帰ったあとにきちんと別れたみたい」
「そうなんだ」
勝「健人くんはAのおかげで別れられたんだよ」
「どういうこと？」
勝「理由は教えないけど」
勝利の秘密主義は、唯一嫌なところだ。
「勝利のばか」
勝「ばかじゃねーし」
拗ねる勝利がちょっと可愛かったから、思いっきり勝利の頭をグシャグシャに撫でた。
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年5月5日 11時
