Before Lunch time ページ31
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1時間目が始まる前、聖ちゃんと衣梨奈にお願いして、お昼を一緒に食べてもらうことにした。二人とも快く了承してくれて、良い友達を持ったな、とつくづく思う。
勝「聖さんは、健人くんの彼女候補なんだからね。気抜かないでよ」
席に戻ると、勝利が振り向いて小声でそう言った。
「そうだった」
勝「ま、今回は俺もいるから大丈夫だと思うけど」
と言うと、前に向き直して次の授業の準備を始めた。勝利がいる教室は、なんだかワクワクして、安心感がある。授業も少し楽しめそう。
マリ「僕もいるよ」
後ろからマリちゃんの声がする。
あっ！マリちゃん！と、大きな声で言いそうになった。それを勝利が、私の口を塞ぐという実力的な行為で抑えてくれた。
勝「危ない、気をつけてよ」
勝利には冷たい視線でにらまれ、後ろのマリちゃんにはケタケタと笑われた。
マリ「Aちゃん、学校では僕には反応しちゃだめだよ〜勝利がAちゃんの口押さえたの、すっごい面白かった」
面白くないし。大体今まで反応しちゃいけない勝利には反応しても良くて、今まで外に出なかったマリちゃんが外に出てるのがややこしいの。声を出しそうになったのは私の責任じゃない。
マリ「Aちゃん、授業が始まるから集中しましょう」
こうして、マリちゃんに怒られる始末。ふぅー、これは大変だ。
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1時間目が終わると、中島くん、改め健人くんは勝利の元へ来た。
健「ねぇ、趣味とかないの？」
勝「車が好きなこと、とかかな」
へぇ、車が好きなんだ、と後ろで聞き耳を立てる。二人はどうやら、仲良くなろうとお互いのことを話しているらしい。
10分間の休憩の間、二人はずっと楽しそうに話していた。チャイムが鳴り、健人くんは自分の席に戻る。
2時間目の後も健人くんは勝利の元へやって来て、話をしている。仲良さそうで羨ましいな。
ぼーっと二人を眺めていると、隣の聖ちゃんに声をかけられる。
聖「Aちゃん、廊下見て」
「廊下？」
廊下を見ると、女子の大群が教室内を覗いている。
「どういうこと？」
衣「勝利くんがかっこいいって話題になってるみたいだよ」
衣梨奈が友達に聞いた話ではそういうことらしい。
「それでこんなに？」
衣「しかも、中島くんと仲良しって顔面偏差値高すぎ」
「なるほど」
健人くんと仲良しだから勝利もこんなに注目されてるんだよね、そう思わないと勝利と距離が遠くなる気がして不安になった。
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年5月5日 11時
