@my home ページ27
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今日も目覚ましの音で目覚める。隣のマリちゃんも起きたようで目を擦っている。
マリ「今日から、外出れるからワクワクする」
「やったね」
マリ「Aちゃんのこと、しっかりサポートするから!任せてね」
「ありがとう」
マリちゃんは新しい仕事に意欲を燃やしているようだ。朝食を食べに行くと、勝利がテーブルにしっかり座っていた。
勝「A、おはよう」
「おはよう」
天使の姿ではなく、スウェットとジャージを着ていて、いかにも人間の高校生だ。
『何、ぼーっとしてるの、早く座ってご飯食べなさい』と母に言われる。
「はい」
座ると、
勝「いただきます」
と言って勝利は朝ごはんを食べ始めた。それが信じられなくて、小声で聞いてみる。
「勝利?本当に人間になったの?」
勝「うん、そうだよ。他の人にも見えてる状態」
「そうなんだ」
今まで見えていなかった母にも見えるらしく、天使ってどんな力を持っているのか、と不思議に思う。
勝「ごちそうさまでした」
勝利は朝ごはんを食べ終えると、階段を上がっていく。私もそれに付いていくと、私の部屋には机が2つ並んでいて、ベッドも2つになっている。
起きたときには気づかなかったけど、勝利のものが増えている。
「これ、どういうこと?」
勝「俺とAさんは一緒の部屋なの。俺は遠い親戚で、高校と実家が離れてて通いづらいから、高校進学と同時にここで居候してるっていう設定」
「そんな設定なんだ」
勝「クラスも一緒だから」
「え?」
勝「俺は入学式前からインフルエンザにかかって、公欠してたっていう設定ね」
「分かった」
いろいろと説明されるけど、勝利の考えていることは分からない。勝利の話を呆気に取られながら聞いていると、マリちゃんが遮るように話し出す。
マリ「Aちゃん、そろそろ準備始めようね」
そう言って、椅子に座らされる。
マリ「今日はふんわりツインテールにしよっ」
ふんふん、と鼻歌を歌いながら髪型を整えてくれるマリちゃんは、外に出れるのがよっぽど楽しみなんだろう。
「行ってきます」
勝「行ってきます」
マリ「行ってきます」
聡「行ってらっしゃい。マリちゃんいないと寂しいな」
マリ「聡ちゃん、頑張ってくるね!」
今日は前代未聞の、天使2人と通学です。
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作者名:ぷぅ∞ | 作成日時:2018年5月5日 11時