Afterschool with Fuma3 ページ14
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パフェを食べ終えると、外は陽が落ちて真っ暗だった。
風「家どこ？送ってくよ」
「大丈夫だよ、ここから歩いてすぐ近くだし」
いつものくせで断ってしまった。これは勝利に怒られる。
風「そう？でも、途中まで一緒に行くよ」
「ありがとう」
風磨くんは確か電車通学で、駅の方向へ向かうはず。私の家も丁度同じ方向で良かった。
風「クラスの子と仲良くなれた？」
「仲良い子はできたかな」
風「そうなんだ。何組だっけ？」
「5組」
風「俺のクラスと遠いね。それに、中島と同じクラス」
「中島くんと知り合いなの？」
風「同じ中学。あんま仲良くないけど」
そういえば、やり直す前の高校3年間では、風磨くんと中島くんの仲が良いという印象は無かった。同じ中学だったのも知らなかった。
風「ま、あいつとはあんまり仲良くすんなよ」
「うん」
少し曇った表情になった風磨くん。
天使に中島くんと仲良くなれ、と命令されているから風磨くんに言われたことはできません、なんて言えるはずもなく、私は頷いてしまった。
その間に私の家が近づいてきた。
「私の家ここから曲がったとこなんだ」
風「そっか、じゃまた明日」
「風磨くん、今日は本当にありがとう。またね」
そう言うと、風磨くんはおうっ、と言って歩き出し、背中越しで手を振ってくれた。
「かっこいいなあ」
思わず漏れたひとり言。恥ずかしい。帰ろ、と思ったときだった。
勝「もっと良い言い方できないの、Aさん」
「うわっ」
突然現れた勝利にびっくりする。勝利は家への帰り道を先にスタスタと歩いていく。
勝「健人くんとも仲良くしなきゃいけないこと、風磨くんに言わなきゃ駄目でしょ」
「別に、言う必要ないかなって」
勝「今の感じだと、風磨くんが健人くんとAさんが仲良くしているところ見たら、嫌な気持ちになるよ」
「そうだけど。っていうか、何で風磨くんは中島くんと私に仲良くしてほしくないの？」
勝「Aさんが知っても、得しないから言いたくない」
「知ってるなら教えてよ」
勝「じゃあ、このこと他の人に絶対言わないでね？」
「約束する！」
勝「風磨くんは中学時代に好きだった女の子に健人くんが好きだからっていう理由で断られたことがあるの。その時の悔しさを引きずってるの」
「それだけ？」
勝「それだけじゃないけど、きっかけはそれ」
この時、なんだ、大したことじゃないじゃんと思った私は馬鹿だった。
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年5月5日 11時
