Introduction2 ページ2
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校長の式辞は長い上に、大して心に響かない。
卒業式ってこんなに感動しないものだっけ？
あくびが出そうなのを必死にこらえる。
来賓からの言葉、祝電などが終わり、送辞、答辞と式次が進む。
答辞は元生徒会長の中島くんが読み上げている。
相変わらずかっこいい。
私がこんなに中島くんを推している理由は、単純に顔がかっこいいからだけではない。
中島くんは、面識のない私でも助けてくれた心の優しい人だからだ。
高校1年の体育祭でのこと。
そこそこ足の速い私はリレーに抜擢されてしまった。
だけどプレッシャーと緊張から、トラックのコーナーで足がもつれて転んでしまった。
その時、既に走り終わっていた中島くんが、倒れこんだ私を真っ先に助けに来てくれた。
その時にされたお姫様抱っこは一生忘れられないと思う。
だから、私は中島くんが好きだ。
私が思い出に浸っている間に、中島くんの答辞も難なく終わり、校歌斉唱。
起立と言われ、重い腰を上げる。
ふと、上の方から人の声が聞こえた。そんなことあるはずない、と無視したいところだったけど、はっきりとバカ、と言われた気がして、上を向く。
そこには、天使が3人、宙に浮いていた。
「えっ！？」
驚きのあまり、大声で叫んでしまった。
しまった、卒業式だった、と後悔しても遅い……と思ったけれど、校歌斉唱している周りの生徒は口を開けたまま、微動だにしていない。
「どういうこと？」
まるで、時間が止まっているみたい。
何が起こっているの？と戸惑っている私をよそに、天使たちは私の周りに降りてきた。
天使たちは起立している生徒と私の間に立っているから、距離はほぼ0に近い。
マリ「ちょっと狭いね」
聡「しょうがないじゃん、ここしかなかったんだし」
勝「他のところに移動しよう」
聡「それが良いかもね」
天使たちは何やら会話をし、一つ指を鳴らした。
次の瞬間、私は30分前までいた、自分の教室に移動した。
「え？なんで？」
まだ、状況がつかめない。
一体どういう原理でこうなっているの？
聡「今、難しいこと考えてるでしょ？」
教卓に先生のような立ち方で立っている天使にそう聞かれた。
「なんで教室に一瞬で移動したのか、とか、あなたたちは何なのか、とか」
マリ「ふふふ」
背の高い、西洋系の顔立ちをした天使が笑った。
マリ「僕たちはね、あなたに高校生活をやり直してもらうためにきたの」
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作者名：ぷぅ∞ | 作成日時：2018年5月5日 11時
