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悪女の過去 6 ページ21

その日。私はしのぶから久しぶりに手紙をもらって喜んでいた。

何年振りかになるしのぶからの手紙。


そして私は蝶屋敷に向かった。


道中、同じ鬼殺の隊士を見かけたが向こうは私を見ると”ひぃッ”と叫んでどこかに行った。

悪いうわさが流されているのは知っていたけれど、此処までだったとは思っていなかった。



蝶屋敷の前で、同い年位の少女が立っていた。

蝶屋敷の住人がつける蝶の髪飾りをしていないからここの住人ではないことが分かった。

一つに結わえた長い黒髪が宙を舞いその子が振り返った。

白い肌に大きく開いた金色の目。

その子は、思わず見とれるほどの美しさを持っていた。

無言で私が見つめているとその子は会釈をして去っていった。

どこか儚い雰囲気の子だと思った。

そして彼女は私が師との別れを悲しんだ時と同じような寂しい目をしていた。


【後で知ったがその子は師の一人娘でAというらしかった】

蝶屋敷の中でカナハがお気に入りだった場所____表にある庭の端にある蝶が沢山集まる場所__
にカナハよりも2つほど年下の少女が立っていた。

右側の高いところで髪を一つにまとめてピンクの髪飾りをしている。

どこか自信なさげな目は初めて会った時のカナハに似ていると思った。



彼女は指先にとまったオレンジ色をした蝶を優しい目で見つめていた。


そこに青い髪飾りの子が来て私をしのぶの元へと案内した。

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作者名:玉葉 | 作成日時:2021年8月25日 18時

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