悪女の過去 4 ページ18
カナハいうしのぶの継子の子と知り合っただけで何もない。
ただ時間だけが過ぎていった。
しのぶとも会わないでいた。
カナハとも・・・・。
ただ師の家で暮らすだけ
姉弟子達は一人は亡くなり、もう一人は鬼殺隊を辞め他の仕事についているらしい。
そんなことから私は師の”一番”になった。
たった一人の弟子。
師はそのことで余計に自分を責めていた。
”自分は育手なのに一人しか生きていない。”
”私には育てる才能がないのでは”
そんなことで師は壊れて行った。
私にも辛く当たるようになった。
師といるときだけが幸せだったのに。
師を。人を信じられなくなっていった。
人の声が聞こえる度、耳を塞いだ。
信じている人なんかいなかった。
どうせ捨てられるだけ。
なら関わらなければいい。
任務に出るときだけが幸せだった。
鬼を滅すると気持ちがスッキリするから。
でも、ある日の任務の帰り。
私の鎹烏・赤城が飛んできて言った。
”師が死んだ”と
頭が真っ白になってやっと言葉になったのはこれだった。
’え・・・・・。
なんで?’
赤城は言う。
”自、殺したそうだ。首を括って。昨日から姿が見えないからご近所さんたちが心配してたんだと。そんで、ご近所さん総出で探し回たって。見つかった時には可哀そうになぁ。
首括っただけのはずなのに体には真新しい傷が幾つもあって何とも哀れな姿だったんだと。”
’ッ!!’
聴きたなかったよ。
そんな話。
私が唯一、安心できる場所が師の所だったんだから。
なんで?
なんで貴方は自、殺したんですか?
まだ話たい事、沢山あったのに。
私の師。 龍香さん。
龍香 紫舞樹 師範。
もう一度会いたかったな。
あの優しい師範に・・・・・・。
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作者名:玉葉 | 作成日時:2021年8月25日 18時