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悪女の過去 ページ14

私は胡蝶しのぶの姉でカナエの妹だ。

母さんも父さんも姉さんもしのぶも大好きだった。

なのに母さんと父さんは死んでしまって、姉さんとしのぶは私に逃げろといった。自分たちは追いつけるから大丈夫。と。

私はそれを信じて逃げた。’また会えるよね?’そう聞いたとき姉さんもしのぶも”勿論よ!”と言ってくれたのに。

いくら待っても二人は来なかった。待ち合わせ場所でずっと待っていたのに来なかった。でも私は生きてると信じて何時間も待った。なのに。

1日たっても二人は来なかった。絶望感の中、私は育手の恥邑さんに会った。彼女は私を養子として弟子として育ててくれた。
名前もくれた。’もし家族がみんな死んだのならその名前は寂しいだろう’と言ってくれた。ただうれしかっただけなのに。私は虐められた。

恥邑さんの所には二人の姉弟子がいた。二人とも恥邑さんの一番の弟子といえる人達だったけど気位が高く傲慢だった。当然、二人は恥邑さんを尊敬していたから恥邑さんの所に新入りが来るのを嫌った。師範が見ていないところを見計らい’出ていけ!!’などと言われ暴力を振るわれた。
でも私は耐えて師範の一番弟子を目指した。

私は姉さんとしのぶに、鬼殺隊に入隊するまで会わなかった。いや、会えなかったといったほうが正しいだろう。姉さんとしのぶの居場所が分からなかった。生きているかさえ知らなかった。

最終戦別をクリアし鬼殺隊に入隊してから3年余りが過ぎようかとした頃だった。

姉さんからもしのぶからも手紙が届かず’二人とも・・’と思っていた時のことだった。

任務で負傷した私は隠の方に蝶屋敷に連れて行ってもらった。

そこで私は蝶屋敷の存在を知った。

蝶屋敷に行く途中、隠の方があることを話した。

”蝶屋敷という屋敷には美人で優しい主人が居る”という話を聞いたとき’姉さんだ’と思った。

’生きていたんだ。でもなんで手紙が届かなかったの?’そんなことを思った。


案内された病室で休んでいるとドアが開き、しのぶが立っていた。

不機嫌な表情を浮かべこちらを見ていた。

”何故生きていたの?線乃実。貴女はすぐ死ぬと思ってたのに。貴女がいなく慣れば姉さんは私だけの姉さんだったのに!!”

しのぶは何故か私のことを姉さんと呼ばなくなっていた。

そこに姉さんが入ってきた。

変わらない優しい姉さんを見て安堵した。
でも姉さんは何も言わなかった。ただ悲しそうな憐みの表情を浮かべてただ微笑んでいた。

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作者名:玉葉 | 作成日時:2021年8月25日 18時

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