Episode174 利害の一致、そして ページ39
「だから――革命だ」
静かで、それでいてとても重い言葉が、いたずらっぽく口角の上がった口から吐かれる。
「革命を起こすんだよ」
釣り上がった瞳が、真っ直ぐに私だけを見据える。
『かく、めい……』
「俺とお前の利害は一致している」
確かにそうだ。
先ほどからの話を聞く限り、彼は恐怖政治で狂ったこの国にうんざりしていて、壊してしまってもいいと思っている。
そして私は、どうにかして王家の追手から逃れて平和に暮らしたい。
――そのためには、この国を変えるしかない。
「
私の心に、革命の風が吹く。
そうか。そうだった。
私は戦わなければならない。
マサキとの未来のために。
私を救ってくれた人達のために。
国民のために。
「やるかやらないか、お前が決めろ。やらないってんならそれでもいいぜ。今まで通り俺も軍人として働くし、お前もそうやって永遠に隠れて生きてればいい。でも、やると決めることが出来るなら力を貸してやる。天下の不動明王中佐だぜ？俺を味方につけたら強いだろうなァ」
マサキもこの場にいたら、簡単に信用するなとか言い出すのだろう。
まして相手は王宮側の人間。いつ裏切られるかわからない。
さすがの私も、この契約には大きなリスクが伴うことはわかる。
私に手を貸すだなんて言っているけど、これは本心かしら。
『あなたはそれでいいの？中佐って、すごいんでしょ。革命起こしたらそれも手放しちゃうんじゃないの？』
違う、こんなことが聞きたいわけじゃない。
本当だったらもっと核心的なことを聞いて、嘘かどうかをしっかり判断して、その上で決めなきゃいけないのに、こういうときに何を聞けばいいのか、何を言えばいいのか、どう立ち回るのが正解なのかがわからない。
大事な時にちゃんとした判断をするには、今の私じゃあまりにも経験値が少なすぎる。
そんな私の中の葛藤を知ってか知らずか、彼は何故か楽しそうに答える。
「愚問だな。俺にとって軍人は天職なんでな、革命でまた軍人になれる国を作りゃいい話だろ」
Episode175 王女の決断→←Episode173 片付ける
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛瑠(プロフ) - 豪炎寺晴矢さん» ありがとうございます！この時期は人生最大の多忙を極めているので更新できませんが、春になったらたくさん更新するつもりです。見捨てず暖かい目で見守ってくださると幸いです。 (2018年12月22日 10時) (
レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺晴矢 - 楽しく読んでいます!!これからも頑張ってください! (2018年12月1日 20時) (レス) id: 0d4b0ee8a9 (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - 詩子さん» 中世〜近世ヨーロッパを意識して書いているので、基本的な歴史の流れなどに矛盾がなるべくないようにやっております。光栄なお言葉ありがとうございます、遅い更新ですが頑張ります！ (2018年9月28日 7時) (レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
詩子(プロフ) - 私学校で世界史を選択してるんですけどすっごく世界史の中の話みたいで面白いです！これからも頑張ってくださいね。応援してます！ (2018年9月27日 23時) (レス) id: 77572e4f5d (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - カナメさん» そう言っていただけると本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2017年12月19日 16時) (レス) id: 871e7b599c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛瑠 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2017年7月17日 7時
