Episode167 二人の軍人 ページ32
天気、晴れ。体調、まあ良好。隣のコイツ、最悪。
そんな今日、俺は吉良家を訪れていた。
理由は王太子妃誘拐事件、発生した戦争、また王家の揉め事についての情報交換といったところだ。
現在王家は今までにないくらい混乱していて、誰も止められず、犠牲者は増えるばかりの地獄絵図と化している。
こんな状態は王宮の人間のみで何とかできるものではなく、外の人間にも協力を仰がないと非常にまずい状態だ。
この舘の主である吉良ヒロト、オマケの緑川リュウジとの話し合いみたいなのをこれからするもんだから、先に会議室で待っていろと使用人に言われ大人しく部屋の椅子に座っている。
まあ別に、待つこと自体は好きではないが耐えられるのだが……隣に座っている同じ軍人の佐久間次郎、コイツがマジでいけ好かねえ。
佐久間は俺と同じような位にいるが、元は貴族の腐れボンボン。
対して俺は親に捨てられ実力でここまでのし上がったのだ。
普段からお高くとまっていらっしゃるこの腐れボンボンが俺は大嫌いだった。
大嫌いなのに、何故か今回組まされて最悪この上ない。
ま、さっき館に入る前窓越しに面白いもん見れたからいいけど。
「おい不動。人の顔をジロジロ見るんじゃない。何か言いたいことでも？」
無駄に品のいい顔を俺に向け、隠す気のない嫌悪感を滲ませながらそう言う佐久間に、俺はわざとらしく両掌を彼に向け、いやいやとんでもない、と首を振って見せた。
「お気を悪くしてしまったのなら申し訳ありません男爵殿。レディのような横顔が滑稽で、つい」
「……何度言ったらわかる、俺は男だ。こんな時にまで喧嘩売るなよ。めんどくさいな」
やっぱ、反応つまんねー。
もっと面白い事言えねーのかよ、コイツは。
ふいっと顔を背けて再び無言になる佐久間に軽く舌打ちをした時、丁度会議室のドアが開き吉良ヒロトと緑川リュウジが入ってきた。
俺と佐久間は一応軍人なので、形式的にだけでも一応立って敬礼をする。
吉良ヒロトはそれに軽く微笑んで返すと、座るように促した。
吉良家の2人が机を挟んで俺たちに向かい合って座るのを見届けてから俺と佐久間も座ると、吉良ヒロトは笑顔で口を開いた。
「それじゃ、まずは戦況について教えてもらおうか」
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愛瑠(プロフ) - 豪炎寺晴矢さん» ありがとうございます！この時期は人生最大の多忙を極めているので更新できませんが、春になったらたくさん更新するつもりです。見捨てず暖かい目で見守ってくださると幸いです。 (2018年12月22日 10時) (
レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺晴矢 - 楽しく読んでいます!!これからも頑張ってください! (2018年12月1日 20時) (レス) id: 0d4b0ee8a9 (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - 詩子さん» 中世〜近世ヨーロッパを意識して書いているので、基本的な歴史の流れなどに矛盾がなるべくないようにやっております。光栄なお言葉ありがとうございます、遅い更新ですが頑張ります！ (2018年9月28日 7時) (レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
詩子(プロフ) - 私学校で世界史を選択してるんですけどすっごく世界史の中の話みたいで面白いです！これからも頑張ってくださいね。応援してます！ (2018年9月27日 23時) (レス) id: 77572e4f5d (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - カナメさん» そう言っていただけると本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2017年12月19日 16時) (レス) id: 871e7b599c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛瑠 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2017年7月17日 7時
