Episode153 --- ページ18
王女というものは、結局は道具でしかない。
国の後ろ盾を強くするだとか、同盟を結んで有事の際に不利にならないようにだとか、そんな目的のための政略結婚に使われる。
王家に生まれた女として、普通はそこに選択肢などない。
国のため、大人しく嫁ぎ子供を作るのが王女の役目である。
そう思うと、私はとんでもないことをしてしまったのだという自覚が押し寄せてくる。
彼女もまた、私と同じように苦しんだ。
好きでもない人と結婚して子供を産まなければならないという使命。
果たすべきであるとはわかっているが、やっぱり結ばれたいのはその人じゃない。
一緒に幸せになりたいのはその人じゃない。
ねえ、王女さま。
あなたの気持ち、とってもよくわかるよ。
【だから私は、精一杯反抗しました。それでも駄目でした。とっても怒られました。脅されました。なぜなら私は第一王女。国のために己を殺し、身を尽くすのがこの命の運命。いまさらこの運命に歯向かうなど、出来るはずがないのです。】
第一王女は結局隣国へ嫁ぐこととなる。
最後まで彼に会うことも出来ないまま、二人の運命は引き裂かれてしまった。
隣国へ向かう途中の馬車の中で、彼女は静かにため息をついて、母国の方角をぼんやりと眺める。
もう会えない。もうあの声は聞けない。もう抱きしめてもらえない。あの人のことは忘れなければならない。
宿命であることなどとうの昔に理解していたものの、受け入れることがどうしてもできなかった。
悲しみで震える手を握りしめて歯を食いしばったその時、突然の大きな衝撃が馬車を揺らした。
衝撃とともに体が大きく揺れ、馬車内の壁に思い切り肩を強打する。
同乗していた第二王女は驚いて、自分も突然のことに少々怯えながらも姉に声をかけた。
「っお、お姉さま、お怪我は……！」
「だ、いじょうぶ……何事なの？」
とにかく何が起きたのか知りたくてたまらなかった彼女は周りの制止も聞かず、馬車から顔を覗かせて辺りを見渡す。
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愛瑠(プロフ) - 豪炎寺晴矢さん» ありがとうございます！この時期は人生最大の多忙を極めているので更新できませんが、春になったらたくさん更新するつもりです。見捨てず暖かい目で見守ってくださると幸いです。 (2018年12月22日 10時) (
レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺晴矢 - 楽しく読んでいます!!これからも頑張ってください! (2018年12月1日 20時) (レス) id: 0d4b0ee8a9 (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - 詩子さん» 中世〜近世ヨーロッパを意識して書いているので、基本的な歴史の流れなどに矛盾がなるべくないようにやっております。光栄なお言葉ありがとうございます、遅い更新ですが頑張ります！ (2018年9月28日 7時) (レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
詩子(プロフ) - 私学校で世界史を選択してるんですけどすっごく世界史の中の話みたいで面白いです！これからも頑張ってくださいね。応援してます！ (2018年9月27日 23時) (レス) id: 77572e4f5d (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - カナメさん» そう言っていただけると本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2017年12月19日 16時) (レス) id: 871e7b599c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛瑠 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2017年7月17日 7時
