Episode152 --- ページ17
【相手が誰であるかは、たった1人の妹にすら打ち明けることは出来ませんでした。
だって、身分があまりにも違いすぎる。
私にもそれはわかっています。
それでも、あの人と過ごす時間は、昼下がりに妹と甘いケーキを食べるひとときよりも幸せで、どうしようもなく切なく、愛おしいのです。
それだけは確かなのです。】
しかし、そんな幸せな日々は長くは続かなかった。
姉の想い人が気になって仕方なかった第二王女は、ある日どこかへ出かけようとする第一王女のあとをこっそり追いかけた。
……第一王女は、王宮の人間が誰も知らないような、王宮からだいぶ離れたひっそりとした静かな場所で、奴 隷身分の少年と逢瀬をしていた。
彼女にはわかってしまった。
全てを見てしまった。
愛しい姉の赤く染まる頬を。
愛しい姉の聞いたこともない甘えた声を。
愛しい姉の少年に伸びるしなやかな指を。
愛しい姉の、悲しいくらいに幸せそうな顔を……！
姉の想い人が卑しい身分の人間であったということを、悟ってしまった。
【幼い頃からお姉さま、お姉さまと慕ってきてくれた私の可愛い妹。
あの子はきっと、許せなかったのでしょう。
私のことが大好きだから、慕っているからこそ、王家の人間がとるべき行動から大きく外れたことをする姉が、憎かったのでしょう。】
その時の第二王女の感情は、第一王女の手記の推測からしかわからない。
きっと、複雑だったと思う。
【王宮に戻ると、あの子は静かに言いました。
"お姉さま、ごめんなさい。私は王家の人間です"
と。
妹の頬には、一滴の涙が伝っていました。】
第一王女は、すぐにその涙と謝罪の意味を知ることになる。
彼女の行動は第二王女により両陛下に伝えられ、罰として地下室に幽閉されることとなった。
そしてその半年後には、隣国の王子との結婚の話が彼女の元へやってくる。
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愛瑠(プロフ) - 豪炎寺晴矢さん» ありがとうございます！この時期は人生最大の多忙を極めているので更新できませんが、春になったらたくさん更新するつもりです。見捨てず暖かい目で見守ってくださると幸いです。 (2018年12月22日 10時) (
レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺晴矢 - 楽しく読んでいます!!これからも頑張ってください! (2018年12月1日 20時) (レス) id: 0d4b0ee8a9 (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - 詩子さん» 中世〜近世ヨーロッパを意識して書いているので、基本的な歴史の流れなどに矛盾がなるべくないようにやっております。光栄なお言葉ありがとうございます、遅い更新ですが頑張ります！ (2018年9月28日 7時) (レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
詩子(プロフ) - 私学校で世界史を選択してるんですけどすっごく世界史の中の話みたいで面白いです！これからも頑張ってくださいね。応援してます！ (2018年9月27日 23時) (レス) id: 77572e4f5d (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - カナメさん» そう言っていただけると本当に励みになります！ありがとうございます！！ (2017年12月19日 16時) (レス) id: 871e7b599c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛瑠 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2017年7月17日 7時
