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君の照れた顔が好きだった。
それは夏の暮れ。
もうすぐ夏休みも終わるというある日、勉強会という名のまだ終わっていない夏休みの課題を消化する作業を二人でしようということになり、ファミレスで向かい合っていた。
君は数学が苦手で国語が得意。
逆に俺は国語が苦手で数学が得意。
教えあってやるにはとてもちょうど良かった。
些細なひとつひとつの君の仕草に胸を高鳴らせつつ、ファミレスでの勉強を終えたあとふたりで近くの公園を散歩した。
公園の花を見つける度に、花の名前と花言葉を楽しそうに教えてくれる君が、たまらなく愛しかった。
「――なあ、結城さん」
「……A、って……呼んでほしいな」
花から目を離さずに、君はそう言った。
男子で君のことを下の名前で呼ぶ人なんて見たことがない。
俺だけが、名前で呼ぶことを許される。
もう胸が張り裂けそうだった。
「……わ、かった。……A」
「なあに？風丸くん」
「お、俺も……名前で呼んでほしい」
「うん、一郎太くん」
暑い。熱い。
真夏の太陽に胸が焦がれる。
「っ俺と、付き合ってくれ！……ません、か」
好きだなんて、とても恥ずかしくて言えなかった。
この時初めて花から俺に顔を向けてくれた君のその顔は、真っ赤に染まっていた。
そして真っ赤な頬を少し上げて、春の風の中で見たのと変わらない柔らかな微笑みで、嬉しそうに君は頷いたのだ。
「うん」
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ひまわり - とても感動しました… 夢主の最期がとても切なかったです… 本当に良い物語でした (2019年4月3日 21時) (携帯から) (
レス) id: 95ba6bf44c (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - ただのアニメ好きさん» 読んでいただきありがとうございます。なんて身に余るお言葉…！これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2018年6月9日 21時) (レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - すすのきのきさん» 恐れ多いですそんな！！！！でもそう言っていただけると本当に嬉しいです。こちらこそありがとうございます！ (2018年6月9日 21時) (レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き(プロフ) - この作品初めて読ませていただきました...。素敵なお話でした..。涙が止まらないくらい素敵です…。作者様の心のこもった書き方が素敵でした。 (2018年5月24日 16時) (レス) id: 3826f1abaa (このIDを非表示/違反報告)
すすのきのき - あいるさんの作品は全て読ませていただいています。とても面白くて感動的で、ワードセンスが素敵すぎです。素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます。 (2018年3月11日 19時) (レス) id: c47a59291f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とくにないです(愛瑠) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2017年5月13日 22時
