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雪が降った。
それももうすぐ春だというのに、近年稀に見る大雪だった。
SNSを開けば、雪の話題ばかり。
その日は、君との約束の日だった。
これでは公園になんて連れて行けるわけがない。
こっそり抜け出すなんて問題ではなくなってしまった。
せめて花だけは見せてやろうと思って、俺は大雪の中花屋に向かった。
しかし、どこの花屋を探しても、入口には「本日は大雪のため臨時閉店します。」の文字。
途方に暮れた。
それでも今日じゃないとダメなんだ。
今日、君に見せないといけないんだ。
歩いて行ける範囲内で最後の花屋をあたった。
が、そこも閉まっていた。
今日じゃなきゃだめなのに。
諦めるしかないのだろうか。
仕方なく踵を返そうとした時、女の人の声が聞こえた。
「どうしたの、こんな雪の中……」
見ると彼女は、ピンク色のエプロンをかけて花屋の裏口から驚いた顔を覗かせていた。
一目で花屋の店員だとわかった。
俺は頭を勢いよく下げ、必死に懇願した。
「お願いします、花を……花を売ってください！今日じゃないとダメなんです。……Aが、待ってるんです……」
「えぇ？……うーん……」
下げた頭の上から、困ったような声が降ってくる。
それでもただお願いします、と頭を下げていると、渋々といった形ではあるが、遂に了承してくれた。
「その子を待たせちゃダメよね。……しょうがない、今日だけよ」
「ありがとうございます……！」
そして俺は、彼女に選んでもらった花を手に持ち、何かに押されるように急いで病院へと向かった。
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ひまわり - とても感動しました… 夢主の最期がとても切なかったです… 本当に良い物語でした (2019年4月3日 21時) (携帯から) (
レス) id: 95ba6bf44c (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - ただのアニメ好きさん» 読んでいただきありがとうございます。なんて身に余るお言葉…！これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2018年6月9日 21時) (レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
愛瑠(プロフ) - すすのきのきさん» 恐れ多いですそんな！！！！でもそう言っていただけると本当に嬉しいです。こちらこそありがとうございます！ (2018年6月9日 21時) (レス) id: cf3c21e846 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き(プロフ) - この作品初めて読ませていただきました...。素敵なお話でした..。涙が止まらないくらい素敵です…。作者様の心のこもった書き方が素敵でした。 (2018年5月24日 16時) (レス) id: 3826f1abaa (このIDを非表示/違反報告)
すすのきのき - あいるさんの作品は全て読ませていただいています。とても面白くて感動的で、ワードセンスが素敵すぎです。素晴らしい作品を作ってくださりありがとうございます。 (2018年3月11日 19時) (レス) id: c47a59291f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とくにないです(愛瑠) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2017年5月13日 22時
