第6話 ページ7
その足音はどんどん近づいてくる。
嫌だ、怖いよ。
体が動かない。
やがて足音はありえないくらいに近くなり、ずっと私の耳元で鳴りはじめた。
何、踏んでるんだろう。なんかべちゃべちゃいってる。
まるで、人間の血肉を踏み潰したような、嫌な音。
嫌だ、嫌だよ、怖いよ。
《 ねエ……ちょう、ダい……あナたの綺麗な……目、ちょウだイ…… 》
『〜〜っ！』
声が、出ない。
怖い、怖い、怖い怖い怖い！
誰か助けて。
冷汗がポタッと膝に落ちた時、おばあちゃんの怒鳴り声が家中に響き渡った。
「こら！私の孫に手出すんじゃないよ！やめなさい！！」
その瞬間、耳元で鳴っていた気味の悪い足音は止み、私を暖かいものが包んだ。
『……っは……お、ばあちゃ……っ』
「よしよし、怖かったね……もう大丈夫。ばあちゃんが追い払ったったからね……」
異様な雰囲気に、両親とお兄ちゃんまで私のそばに来る。
「……A、"また"か？」
『うん……っ』
「よく頑張ったな、A……」
お兄ちゃんが私の頭を撫でながら、強く抱きしめてきた。
私は昔からこんなことばかり起きる。
おばあちゃん曰く、私は近寄りやすいオーラがあるのだそう。
だからよく霊とか見えるし、霊障も多い。
うちの家族は、私とおばあちゃん以外霊感がほとんどない。
お兄ちゃんもほぼ霊感はないが、いればなんとなく感じる程度には勘が鋭いらしい。
ああもう、なんでこんな霊感なんかあるの。
ほんとやだ。
「もうお前風呂入って寝ろ。一人で風呂入れるか？」
『……ば、馬鹿にしないでよ。お風呂くらい一人で入れるし……』
「ん、そっか。じゃ、入ってこい。お前が出たら俺も入るから。何かあったら言えよ、な？」
『うん……お兄ちゃん、その……あ、ありがと……』
まだ震える声で、俯きがちに言う。
普段のお兄ちゃんは変態だしムカつくけど、私のことは大切に思ってくれている。
だから、なんだかんだで私はお兄ちゃんのことが大好きだ。
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名無し25100号(プロフ) - お兄ちゃんが南沢さんっていう設定見た瞬間興奮しましたー！シュウ君に南沢さんなんてサイコーです！愛瑠さんこんな素敵な作品ありがとーございます！じっくり読ませていただきます！ (2015年11月20日 23時) (
レス) id: c1618f8811 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 裏/エ/リ/ンさん» ひ、ひえええ！！恥ずかしすぎる！！下書きの跡が！！教えて下さり本当にありがとうございます！ほんとに！ああ恥ずかしい…なかなか忙しく更新が難しい状態ではありますが、これからもこの作品をよろしくおねがいします！ありがとうございます！ (2015年9月16日 0時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
裏/エ/リ/ン - あの……お話も面白いし、すごいコレ好きなんですけど、失礼なんですけど、2話の「置いてくぞ〜」のあとが愛瑠さんの名前になっているようです；＿； (2015年9月16日 0時) (レス) id: bebab169e4 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - エのもとたかネさん» 初めまして！ですね、シュウのふわふわ妖精さん哲学ボーイ的な感じがとても好きです。そう言ってもらえると嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります〜！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 真桜さん» 更新遅くてごめんなさい〜！頑張ります！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛瑠(あいる) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2015年7月24日 23時
