第35話 ページ37
「こんのバカ野郎ッ！！こんな時間まで何してたんだ！みんな心配したんだぞ！！」
『……』
家に帰ると、お父さんの怒号が家中に響き渡った。
相当お怒りらしい。
まあ、無理もないか。
本来は安静にしていなければならない時に、たった一人で黙って外に出てしまったのだから。
しかも夕暮れ時。
私は廊下でお父さんに正座させられていた。
「早く答えろ！こんな時間まで何をしてたんだ！？」
『……なにも』
「一人で外に出て何もしなかったわけないだろ！」
『……』
何も言えないまま顔を逸らしていると、唐突にリビングの扉が開いた。
そこからひょこっと顔を出したのは、お兄ちゃんだった。
「父さんまだやってんのかよ……もう大目に見てやれよ、な？」
「篤志……！お前は黙ってなさい」
「心配すんのもわかるし、安静にするべきAが何も言わずに家を出たことはいいことじゃない。けどさ、今回は見逃してやってくれないか。頼むよ父さん」
そう言って頭を下げるお兄ちゃん。
そんなお兄ちゃんがすごく意外で、私はただただ目を見開くことしかできなかった。
お兄ちゃんも一緒になって怒ると思ってた。
それで、心配したんだぞって涙目になりながら私を抱きしめるの。
きっとそうなると思ってた。
なのに、なんで？
明らかに私が悪いのに、私のためにお父さんに頭を下げている。
「……まあ、無事で帰ってきただけよかったしな……それに、篤志が頭を下げるなんてよほど何かあるんだろう。もうするなよ、A」
『う、うん。ごめんなさい』
お父さんは私の頭を強引にわしゃわしゃと撫でるとリビングに戻ってしまい、廊下には私とお兄ちゃんの二人だけになる。
シュウくんは今頃、リビングでみんなと一緒にテレビでも見ているのだろう。
「"シュウくん"って奴のとこに行ったんだろ」
『な、なんでわかるの！？』
「お前とは13年の付き合いだからな。Aの兄は俺だけだ。だから、わかる」
『……お兄ちゃん……ありがとう』
「おう。で、ソイツには会えたのか？」
『うん……会えた』
「そうか、よかった」
ふわりと微笑み、そっと額にキスをしてくる。
「ま、でもみんなに心配かけるのはよくねえな」
『う……はい……』
「無事でよかった。……今夜はカレーだぜ。早く行くぞ」
『うん！』
やっぱり私は、お兄ちゃんが好きだ。
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名無し25100号(プロフ) - お兄ちゃんが南沢さんっていう設定見た瞬間興奮しましたー！シュウ君に南沢さんなんてサイコーです！愛瑠さんこんな素敵な作品ありがとーございます！じっくり読ませていただきます！ (2015年11月20日 23時) (
レス) id: c1618f8811 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 裏/エ/リ/ンさん» ひ、ひえええ！！恥ずかしすぎる！！下書きの跡が！！教えて下さり本当にありがとうございます！ほんとに！ああ恥ずかしい…なかなか忙しく更新が難しい状態ではありますが、これからもこの作品をよろしくおねがいします！ありがとうございます！ (2015年9月16日 0時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
裏/エ/リ/ン - あの……お話も面白いし、すごいコレ好きなんですけど、失礼なんですけど、2話の「置いてくぞ〜」のあとが愛瑠さんの名前になっているようです；＿； (2015年9月16日 0時) (レス) id: bebab169e4 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - エのもとたかネさん» 初めまして！ですね、シュウのふわふわ妖精さん哲学ボーイ的な感じがとても好きです。そう言ってもらえると嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります〜！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 真桜さん» 更新遅くてごめんなさい〜！頑張ります！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛瑠(あいる) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2015年7月24日 23時
