第32話 ページ34
息を切らして走る、走る。
夕方4時の島を走りまくる。
いつの間にか空はオレンジ色に染まっていた。
さっきからいろんなところを探しているのだが、一向に見つからない。
海、港、小店など、本当に隅々まで。
何度も言うが、単純に見えてないわけではない。
いたら見えるはずなのだ。
少なくとも、私が探したところにはシュウくんはいなかった。
気配を感じることはできても、さすがに島のどこにいるかはわからない。
『会いたいよ……』
何もできない自分にムカつく。
半泣き状態であてもなくフラフラしていると、色鮮やかな緑が目に写った。
自然の木。
緑色の葉が、オレンジ色の夕焼けに照らされて輝いている。
思わず目を見張った。
なんとなく不思議な気持ちになりつつ、そっちの方に歩いていく。
『……あれ……』
なんだろう、心がざわざわする。落ち着かない。
そう、この感覚は昨日の昼にも――
刹那。
木々の葉がざわめき、風が私を通り抜けた。
視界が開ける。
そこに見えたのは、お地蔵さんだった。
これらは昨日も見た。
ここは、お地蔵さん広場。
昨日来た時と同じように、不思議な力を感じる場所だ。
いや、微妙に違う。
昨日は嫌な感じだったけど、今は違う。
心地よくて仕方がない。
ずっとここにいたいような、そんな感じ――
驚いた、感じるパワーがちょっと違うだけでこんなにも変わるだなんて。
あまりの心地よさに、近くの木の下に腰を下ろす。
『涼しい〜……』
なんかここだけ空気が違う。
すっかり安心しきって目を閉じたとき、ふと揺れる黒髪が脳裏に浮かんだ。
灼けた肌に、黒い瞳。
優しく見えるが、奥には強い意思を秘めているあの瞳。
風に吹かれるショートカットの男の子は、崖に座り遠くを見つめていた。
『……！』
シュウくんだ。
シュウくんはあの崖にいる。
行かなきゃ、いなくなっちゃう前に。
もう一度立ち上がって、広場の向こうにある崖へと向かう。
何度も転びそうになりながらも走り、やっとの思いで崖にたどり着いた。
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名無し25100号(プロフ) - お兄ちゃんが南沢さんっていう設定見た瞬間興奮しましたー！シュウ君に南沢さんなんてサイコーです！愛瑠さんこんな素敵な作品ありがとーございます！じっくり読ませていただきます！ (2015年11月20日 23時) (
レス) id: c1618f8811 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 裏/エ/リ/ンさん» ひ、ひえええ！！恥ずかしすぎる！！下書きの跡が！！教えて下さり本当にありがとうございます！ほんとに！ああ恥ずかしい…なかなか忙しく更新が難しい状態ではありますが、これからもこの作品をよろしくおねがいします！ありがとうございます！ (2015年9月16日 0時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
裏/エ/リ/ン - あの……お話も面白いし、すごいコレ好きなんですけど、失礼なんですけど、2話の「置いてくぞ〜」のあとが愛瑠さんの名前になっているようです；＿； (2015年9月16日 0時) (レス) id: bebab169e4 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - エのもとたかネさん» 初めまして！ですね、シュウのふわふわ妖精さん哲学ボーイ的な感じがとても好きです。そう言ってもらえると嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります〜！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 真桜さん» 更新遅くてごめんなさい〜！頑張ります！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛瑠(あいる) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2015年7月24日 23時
