第15話 ページ16
『……』
「……」
『器用、なんだね』
「そうかな。……やりなれてるからかもね」
『やりなれてる……？』
「うん。妹がいたんだ」
過去形ということは生前の話だろうか。
どこか懐かしげに私の髪を見て目を細めるシュウくんの声は、確かな哀愁を含んでいた。
「……はい、できた。君はまとめ髪も似合うね。綺麗だよ」
『そ、んな……』
頭を触ってみる。
紫色の髪は、後頭部でしっかり結ってあった。
本当にやりなれているのだろう、すごく上手にまとめられている。
『ありがとう……』
「どういたしまして」
私が微笑むと、彼も微笑む。
ああ、なんか、いいな。
窓から吹く風が、紫のポニーテールを緩やかに揺らす。
その時、部屋のドアがすごい勢いで開いた。
あまりにも突然のことに驚いて、私もシュウくんもフリーズしてしまう。
「A起きろー」
『ぅわっ、お兄ちゃん！』
「お、起きてたか。おはよう」
『う、うん』
どうかシュウくんに気づきませんように。
この部屋に幽霊がいると勘づいてしまったら、また変に心配してめんどくさいことになるのは目に見えている。
「って着替え済んでるし……ん？お前その髪……」
やばいやばいバレる……！
実はいつもポニーテールするときはお兄ちゃんにやってもらっている。恥ずかしながら。
低い位置で縛るのは自分でもできるのだが、ポニーテールはなかなか上手く出来ない。
お兄ちゃんもそれを知っているため、怪しまれてもおかしくない。
どうする、真実を口にするか……？
幽霊に結んでもらいましたー！って！？
言えるわけないでしょそんなの！
『あ、い、いやその、これは……』
「……A……」
『は、はいっ！』
「ポニーテール自分で結べるようになったんだな……」
『え？』
「めちゃくちゃ可愛い。もっとよく見せろよ」
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名無し25100号(プロフ) - お兄ちゃんが南沢さんっていう設定見た瞬間興奮しましたー！シュウ君に南沢さんなんてサイコーです！愛瑠さんこんな素敵な作品ありがとーございます！じっくり読ませていただきます！ (2015年11月20日 23時) (
レス) id: c1618f8811 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 裏/エ/リ/ンさん» ひ、ひえええ！！恥ずかしすぎる！！下書きの跡が！！教えて下さり本当にありがとうございます！ほんとに！ああ恥ずかしい…なかなか忙しく更新が難しい状態ではありますが、これからもこの作品をよろしくおねがいします！ありがとうございます！ (2015年9月16日 0時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
裏/エ/リ/ン - あの……お話も面白いし、すごいコレ好きなんですけど、失礼なんですけど、2話の「置いてくぞ〜」のあとが愛瑠さんの名前になっているようです；＿； (2015年9月16日 0時) (レス) id: bebab169e4 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - エのもとたかネさん» 初めまして！ですね、シュウのふわふわ妖精さん哲学ボーイ的な感じがとても好きです。そう言ってもらえると嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります〜！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 真桜さん» 更新遅くてごめんなさい〜！頑張ります！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：愛瑠(あいる) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2015年7月24日 23時
