第10話 ページ11
くいくい
ぷにぷに
とんとん
ん……？
なんか触られてる……？
お兄ちゃんかな。
くそ、あの変態お兄ちゃんめ。殴ってやる。
まだ眠いと訴える目を必死に開け、どこをどうやって殴ろうかを考え始める。
いや、なんか違う。
これお兄ちゃんじゃない。
だったら誰だろう……？
『……あ』
数秒して気づく。
この黒髪、もしかしなくても昨夜の幽霊かもしれない。
というかそれしかない。
黒髪なんてうちの家族にはいないもの。
そう確信した瞬間、腹の底から断末魔が湧いてきた。
『っ……きゃあああっむぐ！？』
恐怖で悲鳴をあげると、咄嗟に幽霊に口を塞がれた。
えっちょっと待って待っておかしい。
幽霊が触れてきてる怖いやばい。
幽霊の手は、驚くほど冷たかった。
まるで氷みたい……
暑い夏にはちょうどいいかなと一瞬思ったが、冷たいといえども霊的な冷たさのため全然よくなかった。
「……しーっ……」
『っ……！っ……！！』
しーじゃなくて！！
手を離してよー！
「……騒がない？」
と、無表情で訊いてくるから。
彼の静かな目が、私をまっすぐに捉えるから。
だから私は、頷かざるを得なくなった。
早く離れてほしい一心で必死に頷く。
すると、幽霊は口に当てた手を素直に離してくれた。
『っぷは……』
正直息が苦しい。
普通鼻まで押さえる奴がいるかバカタレ。
というか、声の聞こえ方が昨日と違う。
昨日はすぐ耳元から聞こえたのに、今は普通の人間と話しているみたいだ。
いやいやいや、そんなことより。
『っな、なんなん……ですか……』
「……」
『だ、大体あなた……誰、ですか』
「……僕？」
『は、い……』
「……」
『……あの……』
「夢、見た？」
『ハァ？』
確かに夢は見たが、質問に質問で返すとはどういうことだ。
これでは会話にならない。
まずは私の質問に答えてほしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 60人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「イナズマイレブン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
名無し25100号(プロフ) - お兄ちゃんが南沢さんっていう設定見た瞬間興奮しましたー！シュウ君に南沢さんなんてサイコーです！愛瑠さんこんな素敵な作品ありがとーございます！じっくり読ませていただきます！ (2015年11月20日 23時) (
レス) id: c1618f8811 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 裏/エ/リ/ンさん» ひ、ひえええ！！恥ずかしすぎる！！下書きの跡が！！教えて下さり本当にありがとうございます！ほんとに！ああ恥ずかしい…なかなか忙しく更新が難しい状態ではありますが、これからもこの作品をよろしくおねがいします！ありがとうございます！ (2015年9月16日 0時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
裏/エ/リ/ン - あの……お話も面白いし、すごいコレ好きなんですけど、失礼なんですけど、2話の「置いてくぞ〜」のあとが愛瑠さんの名前になっているようです；＿； (2015年9月16日 0時) (レス) id: bebab169e4 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - エのもとたかネさん» 初めまして！ですね、シュウのふわふわ妖精さん哲学ボーイ的な感じがとても好きです。そう言ってもらえると嬉しいです！ありがとうございます！頑張ります〜！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
とくにないです(愛瑠)(プロフ) - 真桜さん» 更新遅くてごめんなさい〜！頑張ります！ (2015年8月3日 12時) (レス) id: 0a6bda2860 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：愛瑠(あいる) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/baraannzu1/
作成日時：2015年7月24日 23時
