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「ごめんねジョングクくん、書類OKだよ。急ぎだったのに本当ごめんね」
「いえ、ありがとうございます。…すいません、さっきは嘘言って」
向かい合わせのパソコンの陰から小声でそう言うと、何に対しての嘘かAさんはすぐに察したようだ。
「困ってるかなと、思ったので」
「…うん、ちょっとね。だからすごく助かった。ありがとうジョングクくん」
ホッとしたような表情を、Aさんもパソコンの陰から覗かせていた。
それと同時に、なんとなく何か隠しきれない表情をしているようにも見えて。
「俺、さっきのこと聞いてもいいですよね?」
「え?」
「聞く権利あるかなって」
頬杖をついてニコッと笑ってみせると、Aさんは負けたように眉を下げて笑う。
「うん…だよね、別に隠すことでもないか」
「じゃあ今日はユンギヒョンもいないですし、残業しないで飲みに行きましょ」
「ふふ、そうしましょ。ていうかそれ私が言うセリフだよね本当は、」
と言ってクスクス笑った。ので、俺もつられて笑う。嬉しくてたまらない。
「じゃあ残業しないためにさっさと終わらせますか」
「はい、頑張りましょう」
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作者名:SLY | 作成日時:2019年5月23日 13時