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「おはようございます」
職場の事務所に入り挨拶をすると、既に出社している人たちからの返事がつらつらと聞こえる。
「おう、ちゃんとスーツで来たな」
「忘れないですよ。ヒョン早いですね」
「今日の資料一個作り忘れたんだよ…昨日の夜布団入ってから思い出した」
「え、マジですか、なら今日僕ももっと早く来ればよかったです、すみません」
「いや気にすんな、俺の確認ミスだし。チクショウ間に合うかな…」
今一緒に仕事をしている先輩社員のユンギヒョン。
朝は基本的に就業開始時間の10分前くらいに出社するヒョンが、今日は俺よりも早く出社してパソコンと睨めっこしていた。
約束の時間まではまだ余裕があるけど、外部打合せのためあと15分後には出たいところだ。
「ヒョン、僕も手伝いますよ。何の資料ですか？」
「悪いな、これなんだけどさ」
「…あ、なるほど」
「やらかしたろ、俺」
15分で出来たら神様。
今から作らなければならない資料を詳細を知り、まず最初に思ったのがそれ。
15分は無理だと思うけど、2人でやれば約束の時間にはなんとか間に合うだろう。
よし、とパソコンの前に座りキーボードに触れたときだった。
「おはようございまーす」
「お！きた！助けてくれ〜〜」
「！？何…どうしたの？」
いつも意識して拾っている声が職場内に綺麗に響き渡って、一気に華やかな雰囲気になる。
パソコンへの意識が反射的にそちらに向いて、その顔を見ればいつも心臓が高鳴る。
今日も綺麗だ、Aさん。
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作者名：SLY | 作成日時：2019年5月23日 13時
