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「お邪魔します…っ！はあ、濡れた！」
「どうぞ。今拭くもの持ってきますね、」
断られるのを覚悟で一か八かで言ってみた。最初は断られた。やっぱり。
でもこのままここにいても埒が明かないことは明白で、明日の朝までここにいるわけにもいかないのだ。
申し訳ないとAさんは何度も言うけど、俺は大歓迎だった。
ここからは俺の頑張りどころだ。
何が頑張りどころかって、自分の理性と戦うこととAさんへのアタックの両立である。
「とりあえず、着替えも持ってくるので着替えてください。俺のしかないけど」
「…なんかもう、何から何までゴメン…」
「こういうときは助け合わないと。はい、あがってください」
リビングに通して、洗面所から大きめのタオル、そしてタンスから服の上下を取り出す。
と言っても小さいサイズなんかないので、俺サイズのものになってしまうけど。
着てるところを想像して生唾を飲み込んだ。
…ダメだダメだ。Aさんが風邪引いちゃう早く戻んなきゃ。
「はい、これで拭いてください。あと着替えここに置くので着替えてください」
「わ〜もう…ありがとう」
「…Aさん、水も滴るいい女ですね」
「何言ってるのもう、冗談言ってる場合じゃない(笑)」
「へへ(笑)俺もそっちで着替えてくるので、着替え終わったら呼んでください」
「うん、わかった。ありがとうね」
「さっきからありがとうしか言わないですね(笑)気を遣わないでください。俺は大歓迎なので」
「〜〜もうっ、着替えるからちょっと向こう行ってて！」
「はいはい(笑)」
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作者名：SLY | 作成日時：2019年5月23日 13時
