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31_you ページ31

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「○○課のチョン・ジョングクくんかっこいいよね…!」


「ね!彼女いるのかな?話してみたい〜」




「……」




ジョングクくんに気持ちを伝えてもらって嬉しい気持ちもあるし、正直前向きに考えたいところなんだけど。


ボトルを忘れてしまったので今日は自販機で飲み物を買うことに。

どれにしようか迷っていたら、廊下を歩く若い女の子の社員二人がそんな会話をしていた。




学生時代が懐かしく感じた。


○○先輩がカッコいいだとか、サッカー部の○○くんには彼女がいるのかとか。

学年に一人はいる、モテる男の子。


ジョングクくんはまさにそういう立ち位置の男の子だと思う。男版高嶺の花。



そういう立ち位置の男の子は女の子の憧れの的で、そしてその子と付き合えた女の子はやっかみを受けていたこともあった。


同じ職場で、ましてや一緒に仕事をしている私がもしジョングクくんと付き合ったとしたら、
それが周りに知れた時の恐ろしさを考えたら怖くなる。


それにジョングクくんは若い。会社にいるときとは別人ではないかと思うくらい、言動が積極的で。

正直圧倒もされているけど、悪い気がしていないのも事実だった。



ていうか、私のどこが良いんだろう。



イケメンだなと思うことはあっても、仕事の関係から入った私にとってジョングクくんを”男”として見ることがなかった。

突然気持ちを伝えられて、私は初めてそういう目でジョングクくんを見ようとしている。

ジョングクくんのことを信じていないわけではないけれど、自分がジョングクくんをその気にさせた覚えもなければ、もしかしたらジョングクくんにからかわれているのではないかと考えたりもしている。



…それに私、モテるタイプの男の人と付き合ったら傷つくってことを知ってるんだ。




「…あ、」



気付いたら飲めないブラックコーヒーのボタンを押してしまっていた。





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作者名:SLY | 作成日時:2019年5月23日 13時

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