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「おはようございます…って誰もいないか」
週が明けた朝。
挨拶をして事務所に入ると、まだ誰も来ていないようだった。
この部署で一番下っ端だから朝早く来るようにしているので、朝来て誰もいないことはよくある。
週末の金曜日に俺が気持ちを伝えたら、真剣に考えると言ってくれた。
そして連絡先も交換させてもらった。メッセージアプリにAさんの名前が登録されたというだけで、俺はこの休日に意味もなく何度もメッセージアプリを開いては頬が緩んでいた。
我ながら気持ち悪い。
週が明けてAさんと顔を合わせることが緊張と楽しみな気持ちで、今日は一段と気分が高揚していた。
パソコンに電源を入れて先週やったところまでの仕事を再開しようとパソコンの画面を見ていると、間もなく事務所の扉が開いた。
同じ部署の人が出勤したのだと思い、挨拶をしようと口を開いたが。
…誰？？
「…おはようございます、」
「あ、おはようございます」
「…？」
「すいません、営業部のソンと言います。…誰もいないですね」
「どなたかお探しですか？」
「Aちゃんいます？」
Aさんのことをちゃん付けして呼ぶ営業部のソンさんという人は、年はおそらく若い方だろう。
ユンギヒョンやナムジュニヒョンと同じくらいにも見えるが、営業部だからかオーラが明るく人当たりの良さそうな人。
そしてなかなか男前な人だ。
それよりもすぐに俺が気になったのは、Aさんとはどういった関係の人なんだろうというところだ。
「まだ出社してませんけど…何かお急ぎのご用件であれば、出社したら伝えますが、」
「や、いいっすよ。仕事の話じゃないんでまた来ます」
「は、はあ…」
「すいません、失礼しました」
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作者名：SLY | 作成日時：2019年5月23日 13時
