love chase__Yuta.J (ページ46)

今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:44,989 hit

46 ページ46

神宮寺side

あー、もう！！何やってんだよ！！！

ドンと鈍い音を響かせてテーブルに振り下ろした拳は

少し冷静さを取り戻した今、じんじんと痛んできた。

自分の余裕のなさにただただ呆れる。

Aちゃんは俺の事を心配してくれただけで

なにも悪くないのに。

俺が悪いだけなのに。

彼女が出ていくときにちらっと見えたのは

今にも溢れそうな涙を堪えている顔だった。

、、っ！！！

こんなことしてる場合じゃないだろ！！

彼女を泣かせて、しかも、

こんな夜遅くに1人で帰らせるなんて。

ほんっとサイテーだな。

携帯だけ持って慌てて家を飛び出した。

…あ、いた。

神「Aちゃん！！」

「…勇太、、」

神「ごめん！本当にごめん！！」

「ううん。私こそごめんね。

もっといい言葉かけてあげたかったんだけど

頑張ってる勇太に頑張れっては言えないし、

なんて言ったらいいのかわからなくて逃げたの…」

神「Aちゃんは何も悪くないから。

全然余裕なくて八つ当たりみたいになっちゃって。」

「勇太を支えてあげるのが私の役目なのに…」

優しく包み込むと肩が震えているのが分かって

また泣かせてしまったのだと気がついた。

神「Aちゃんは何も悪くないから

自分を責めないで？」

「うん…」

神「寒いから、家帰ろ？一緒にいてくれる？」

「うん、一緒がいい。」

ほぼ毎週のようにしていた休日出勤も

今週はしないでゆっくりすごそう。

目標は明確なのだから、冷静になって

仕事への向きあい方を考えるいいタイミングかな。

″ふたりで頑張っていこうね″

家に戻ってから言ってくれたこの言葉。

今の俺にすごく響いたんだ。

俺は1人で突っ走りすぎたのかもしれないな。