ＪＪ＊名前の無いＢａｒ１０ (ページ6)

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昨日どうしちゃったんだろう…ジェジュン。
気のせいだなんて嘘ついて…
聞き出せなかったけれど、
何かあった感じだった。

「何ボーっとしてんだ。男のことか？ん？男のことだろ？」

パコっと何かの資料で私の頭を叩いたのは大泉さん。

結局自分のことを相談できずに返事をすることになってしまった。

やってみなくちゃわからないし、最終的に決めるのは自分。グダグダ悩んでいても答えは出てこない。

大泉「昨日の返事は？」

A「やれるところまで突っ走ります」

大泉「そーかそーか。当分は引き継ぎで時間がかかるけど、前から温めてきた企画も動き出さなくちゃな」

A「…そんなのありました？」

大泉「お前、自分で言ったこと忘れたの？世界遺産の旅行本を出したいって」

A「あー、よく覚えていますね。それ、入社試験の面接のときに言ったやつですよ(笑)」

フッと目を細めて笑う大泉さんは私の面接官だった。

大泉「夢…実現しろよ」

そう言って、火が付いていないタバコを咥えながら何処かへ行ってしまった。

夢…か。
すっかり忘れていたけれど、新入社員だったころの自分を思い出す。

希望や野望に満ち溢れていて、ただ前へ進むことしかできなかったあの頃。

今は、いろいろな知識が付いて賢くなったりズルくなったり…

資料集めから出版まで早くて２年くらいかかるかもしれない。
もしかしたら、それ以上かかるかも…

大きなプロジェクトが動き出すということは、ジェジュンに会えない日が続くということになる。

実現させたい…

仕事の夢もプライベートの夢も。