ＪＪ＊名前の無いＢａｒ１０ (ページ1)

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page.201【side JJ】ページ1

俺をその気にさせて、寝ちゃうなんて…

ソファに寝かせたAの唇をそっと指でなぞる…
　
起きたら寝かせないくらい、あんなことやこんなことしてやるから覚悟しろよ(笑)

カランカラン♪

『こんばんは…誰かいますか？』

時計の針は夜の１０時を指していた。

聞き慣れている韓国語、この声は…

JJ『ユジンさん…？』

『ジェジュ～ン!!久しぶり…あっ、おじゃましちゃった？』

JJ『すっごくジャマされた…なーんてね、あっは』

『２年ぶりかな。みんなはいないの？』

ユジンさん…
俺を料理の世界へ導いてくれた師匠。
今は韓国と日本に創作料理のお店を何店舗か開いている経営者でもあり、総料理長でもある。
旦那さんと二人の子持ちにはぜんぜん見えない…

ユジンさんは、味だけじゃなく、見た目も美しく芸術家のような才能溢れるアイデア料理を生み出す。

何も取り柄もなかった俺は、お店でユジンさんの料理に一目惚れして、直談判で弟子にしてもらった。

この出会いがなかったら今の俺はいなかった…そう思えるくらい、ユジンさんにはすごく感謝している。

ﾕｼﾞﾝ『みんなにも会いたかったな…いつもここにいるんでしょ？』

JJ『さっきまで飲んでたんだけど、今は…その子と二人で飲んでた』

ﾕｼﾞﾝ『ふふっ、幸せそうね。プライベートが充実していると料理にもいい影響を与えてくれるからね』

JJ『うん、なんかいろいろなアイデアが浮かんできて、まとめるのが大変(笑)』

ﾕｼﾞﾝ『お～いい顔してるな～(笑)』

寝ているAに優しい眼差しを送ったユジンさんはカウンター席に座った。

JJ『今回も日本のお店の様子を見に来たんでしょ？』

ﾕｼﾞﾝ『そう。定期的なもの。それと…』

ジッと俺を見つめて…

ﾕｼﾞﾝ『ジェジュン、ミラノでお店やってみない？』