6. Ren said ページ6
ザーッ___
雨のせいで辺りはもう暗い。
あの事件以来、夕刻になると街の人通りは一気にいなくなる。
ただ事件が起きてから1週間が経つも情報はゼロ。
市民からも不安の声があがっているというのに。
『はぁ、』
思わずため息が出る。
今回の事件、
本当にヴァンパイアの仕業なのか?
ヴァンパイアは姿形を生き物に変えられる特殊能力を持つ。
舘さんの眷属は狼。
何かアクションを起こせば狼の目撃情報があってもいいはずなのに、
街の市民からも、そして狩人達からの目撃情報もない。
亮『めめ、大丈夫?』
相当思い詰めた顔をしていたのか阿部ちゃんが声をかけてくれた。
『あ、ごめん。大丈夫だよ。』
亮『そう…ならいいけど。あんまり無理しないでね。』
『うん、ありがとう。』
亮『それじゃ、もう時間だし見回りに行こう。』
そういって俺達は馬に乗って教会を出た___
特に大きな変化もなく、気づけばAが住んでいる区域に来ていた。
路面店が多いこの区域は夜でも活気があったのに。
今は閑散としていて殺風景な街と化してしまった。
ランタンの灯りを頼りに真っ暗な通りを進むと突然阿部ちゃんが声をあげた。
亮『めめ止まって!』
阿部ちゃんの視線の先にはAの店。
その店の前に
黒い人影と狼らしき獣が2体。
しかも店の灯りはついていないのに扉が開いている。
俺は考える間もなく馬を走らせた。
人影に近づくと狼が俺に気づき威嚇してくる。
雨が降りしきる中、銀弾の入った銃を片手に話しかけた。
『ここで何をしている?』
俺の問いにゆっくりと振り返った人物は舘さんだった。
『舘さん、話しがしたいからその狼どうにかしてくんない?』
すると指をパチンッと鳴らし、その場にいた狼が姿を消した。
『こんな時にこんな所でなにしてんの?』
所々強調しながら返答を待とうとしたその時
阿『待って、Aは?それに部屋が荒れてる』
ランタンのわずかな灯りが荒らされた店内を照らす。
その光景を見た俺は何かがプツンっと切れ、気づけば舘さんの胸ぐらを掴んでいた。
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作者名:ルナーベル | 作成日時:2022年1月4日 20時