6小節目 ページ7
「へー！ユンギ君は去年まで海外留学してたんだ？ドイツ？すごいねぇ」
「いや、、、あ、はい、、、」
なぜか、Aはユンギの面接に立ち会っていた。本当はオーナーに引き合わせて、そのまま開店準備に戻るつもりだったのだが、赤面したままのユンギが、縋るように見つめてきたのと、オーナーが「A、ちょっとここにいて」と、その場に留めたからだった。なるべく、ユンギの視界に入らないように隅の椅子に小さくなって息を潜める。それでもユンギの顔は依然ピンク色に染まったままだった。
「でも、こんないいとこ留学して、名だたる人に師事してるのに、コンクールとか出ないの？」
あっけらかんと、オーナーが聞く。
ユンギは、悔しそうに薄い唇を噛み、目尻まで真っ赤にした。
理由は明確じゃないか、可愛そうに。
そうAは思った。どう考えても、その理由は彼のこの症状のせいだろうと。ただ、こうも思う。この症状が改善されない限りは、今後いくら彼が優秀でも、プレイヤーとして活動していくのは難しいなと。
「ま、だからここに来たんでしょう？」
オーナーはポツリといい、
ユンギは弾かれたように顔を上げる。
「よし、採用するよ、ユンギ君。但し特別扱いもしない。自分で、ちゃんと乗り越えること。」
オーナーはそういうと、驚いた顔をしたユンギをそのままに、履歴書を持って立ち上がった。
「Aちょっとおいで」
そういうとオーナーはAを事務所の外に連れ出した。
「採用すんすか？彼」
「お前、聞いてたろ？するよ。」
さも当然、というようにオーナーがいう。やはりオーナーはすごく変わっていた。
「使い物になりますか？」
「使えるようにすんだよ。お前が」
「へ？！」
「お前、今日から彼の教育係な、これ、業務命令」
「え、ちょっと待ってください！俺？」
「なぁ、A、お前にとってもいい勉強になると思うよ。人としても、プレイヤーとしても」
そういうと、オーナーはニヤリと笑いかける。何を言われてるのか、頭が混乱しているAは、パクパクと、口を開け閉めするので精一杯だった。
「一週間でステージに上がれるようにして。方法は任せるわ。」
そういうと、Aの頭をぐしゃりと撫で、
「んじゃ、頼んだー」
オーナーは大きな身体を揺らしながら、店の奥へと去っていった。
彼がここで働くのは、望んでいたことだけど。
『前途多難感』と『ワクワク感』が綯交ぜになって、Aは深く、息をはいた。
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ささづか(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます！嬉しいです！更新遅いですが、暖かく見守って下さいませ！ (2019年9月24日 16時) (
レス) id: 545ea4fbb5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 凄い好きです！！頑張ってください！！ (2019年9月22日 11時) (レス) id: da52e12bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ささづか(プロフ) - Min Haniさん» わ！ありがとうございます！そうです！あのユンギさんが可愛すぎて見切り発車で始めました。亀更新ですが、気長にお待ち頂ければ幸いです^_^ (2019年7月9日 19時) (レス) id: 545ea4fbb5 (このIDを非表示/違反報告)
Min Hani(プロフ) - わー！BTS Worldのユンギですね！可愛い！続きを楽しみにしておりますヽ(´▽｀)/ (2019年7月9日 15時) (レス) id: 8dfdec943d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささづか | 作成日時：2019年6月28日 13時
