18小節目 ページ21
時計は夜中の3時を回り、ノーゲストとなったお店では閉店作業が進められていた。
「へー、ラプソディーインブルーねぇ」
「そうそう！よくない？そんでジュナに編曲してもらったわけ！」
「んで、ユンギヒョンの家で練習？」
「そ！ピアノあるし防音なんだってさ。」
「大学のリハ室借りればいーじゃん」
「馬鹿、一週間しかないんだぞ。今からじゃ申請間に合わないよ」
ウキウキと話をするAと、対照的に少し苛立った様子を隠しきれないテヒョンは並んで洗い物をしていた。
テヒョンは昔から、Aのことを良く見ている。だからAのこの高揚感が、一週間の期限がどうの、練習がどうのだけでは無いことは手に取るように分かっていた。
(俺んちに遊びに来るときは、そんなテンション高くないもんね)
ずっと見てたからわかる。彼が自分ではない人にときめいてしまっている事を。
悔しさと歯がゆさがごっちゃになって、グルグルと身体を巡る。テヒョンは久しぶりに、強烈な嫉妬心に苛まれている事を自覚した。
Aは芸術高校に通っていた時の、吹奏楽部の一つ上の先輩だった。
当時テヒョンは近づき難い派手な容姿と、独特の感性を持っていたが故に、少し周りから浮いていた。女子は特別な感情を持って接してくるのが殆どだったし、男子は男子で彼を警戒、敬遠しているような状態だった。
「ね、この曲、合わせんの付き合ってくんない？」
Aは部活に入ってきて、早速浮いていたテヒョンに一番に声をかけてきた。あっさりと自然に。
「わぁ、お前の音、すっごい綺麗だなぁ。歌ってるみたいだ。」
そうキラキラと目を輝かせて話しては、ふにゃりと笑うAのことを、テヒョンはとても綺麗だなぁと思った。発する言葉が嘘ではない事ぐらい、疑り深くなっていたテヒョンにもわかった。
(あぁ、この人はとても純粋で、無垢なんだ。)
それから、なんとなく気になるようになって、遠巻きに目で追うようになった。
本人は気がついていないが、Aは人懐こい性格、屈託のない笑顔で、男女問わず人気があった。容姿だって、それなりに良い。
何だかんだと、人が集まる彼の周りに、嫉妬していると気がつくまでに、そう時間はかからなかった。
「ねぇ、Aヒョン。」
急にべったりとAにひっつく様になって、周りは驚いたが、構わなかった。
「何だよ？テヒョン。」
後輩に懐かれて、嬉しそうに笑うAは、純粋で、無垢で、鈍感だったから。
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ささづか(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます！嬉しいです！更新遅いですが、暖かく見守って下さいませ！ (2019年9月24日 16時) (
レス) id: 545ea4fbb5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 凄い好きです！！頑張ってください！！ (2019年9月22日 11時) (レス) id: da52e12bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ささづか(プロフ) - Min Haniさん» わ！ありがとうございます！そうです！あのユンギさんが可愛すぎて見切り発車で始めました。亀更新ですが、気長にお待ち頂ければ幸いです^_^ (2019年7月9日 19時) (レス) id: 545ea4fbb5 (このIDを非表示/違反報告)
Min Hani(プロフ) - わー！BTS Worldのユンギですね！可愛い！続きを楽しみにしておりますヽ(´▽｀)/ (2019年7月9日 15時) (レス) id: 8dfdec943d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささづか | 作成日時：2019年6月28日 13時
