11小節目 ページ13
「あ、気がついた」
薄っすらと目を開けたユンギの目には、ホッとしたAの顔がめいいっぱい映った。
あ、そうか、初めて会った男の子に抱きつかれて、、、
その後の記憶がないユンギは、また、自分の厄介な性分の所為で、人に迷惑をかけた事を自覚し、うんざりとした。
昔からそうだった。一人っ子で、人一倍の愛情を両親からは得たと思う。優しく甘やかされて育った自覚はあった。気づいたら人見知り。小さい頃からピアノばっかり触って、やれレッスンだ何だと、あまり同世代と遊ばない幼少期を送った。
「わぁ、真っ白。気持ちわり」
もとより生まれついて肌は白く、外でも遊ばなかったから、小学校でそう言われた言葉に傷ついた。
なんとなく学校に足が向かなくなり、でもそれを許してしまうだけの経済力がある家庭に生まれ、家で勉強出来る環境も与えてもらえてしまって。ただ、ピアノに打ち込めてしまった。
ひたすらに人と関わる事から逃げ続けてしまった結果、ピアノは弾けるが人前に出れない、厄介な性格が育まれてしまった。
これじゃダメだ。そう思って入学した大学も、早々に色々あって留学に逃げた。マンツーマンで指導してもらえる海外に。腕だけはメキメキと上達し、でもコンクールには出れない宝の持ち腐れ状態。
「君は人と関わる事をしないと、この先一生、何者にもなれないよ」
はっきりと、尊敬する先生に言われ、絶望した。
その通りだ。ピアノを仕事にするならば。
他の事をしようにも、出来ることなどなかったし、幼少期から、お金と時間と愛情をかけてくれた両親にも、このままでは顔向けができない。
いつ、ピアニストとして、自分の息子が輝くのかと、キラキラした目で待っている、純粋な家族達に。
決心して帰国して、大学に戻ってきたものの、そう簡単にはいかなかった。
すぐ真っ赤になる自分に向けられる、好奇の目。人の目が怖い。
でも、乗り越えなくちゃ。
そう思って、荒療治のつもりで、いや、正直言えばもう破れかぶれで、この店のドアを叩いた。
バイトの面接なんて初めてだったし、息が止まりそうだったけど、なんとか掴んだチャンスだったのに。
ハグぐらいで卒倒してしまう様な自分を、雇ってなんぞくれないだろう。
「大丈夫ですか？ユンギヒョン？」
Aは心配そうに覗き込む。
『やっぱり、雇えません』
そう言われる前に。
「俺、クビですか？」
そういえば、
「ふぇ？」
Aが間抜けな顔をしてユンギを見た。
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ささづか(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます！嬉しいです！更新遅いですが、暖かく見守って下さいませ！ (2019年9月24日 16時) (
レス) id: 545ea4fbb5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 凄い好きです！！頑張ってください！！ (2019年9月22日 11時) (レス) id: da52e12bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ささづか(プロフ) - Min Haniさん» わ！ありがとうございます！そうです！あのユンギさんが可愛すぎて見切り発車で始めました。亀更新ですが、気長にお待ち頂ければ幸いです^_^ (2019年7月9日 19時) (レス) id: 545ea4fbb5 (このIDを非表示/違反報告)
Min Hani(プロフ) - わー！BTS Worldのユンギですね！可愛い！続きを楽しみにしておりますヽ(´▽｀)/ (2019年7月9日 15時) (レス) id: 8dfdec943d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささづか | 作成日時：2019年6月28日 13時
