祀り姫は宿儺の器に成り代わる参【呪術廻戦】

141章、蜂の針と薔薇の棘 ページ44

男の名は壊相、大口呪霊は血塗という
彼等は呪胎九相図……
明治の初め、呪霊の子を孕む
特異体質の娘がいた。
呪霊と人間の混血異形の子、身に覚えのない懐妊から始まり、周りはそんな女を揶揄し続けた。女は死んだ子の亡骸を手に山に駆け込んだのが運の尽き、加茂憲倫……
多くの呪術文化財と共に史上最悪の呪術師として名を残す……御三家の汚点
彼の知的好奇心により、9度の懐妊9度の堕胎を繰り返し、それ以降女がどうなったのか、一切の記録は破棄されている。
呪胎九相図……1番〜3番
どれも特級に分類されるほどの呪物
その呪力の起源は母の恨みかそれとも、
彼等は呪術師にも人間にも特に恨みは無かった。もちろん母親の記憶もない。
ただ、
150年互いの存在だけ頼りに
封印を保ってきたのだ。
さらに、彼等には昔から不思議な記憶があった。
1人の少女の記憶だった。
少女の記憶は
いやでも人間が嫌いになりそうな内容ばかりだった。
その少女にいつか会おうそう思いながら、

彼等は、受肉し、
兄の頼みで呪い側についたのだ。
例え戦いたくなくても……

「辛いでしょ？なら、我々と共に行きましょう姫」

彼女は呪いの言葉に下を向いた。

わかっている……この呪いの気持ちも
私がこの場でしなければならないことも
そんな彼女に
釘崎は、ため息を吐くと
自分の腕に釘を笑いながら打ち付けた……

「野薔薇ちゃん?!」

「っらしくないわね？……あんら、当たれば勝ちの術式……強いなお前ら！
けど私との相性最悪だよ！！」

ドクンと壊相と血塗の心臓がはねる。
共鳴りは、対象の欠損した部分に人形を通して、呪力を打ち込む事で対象本体にダメージを与える。

術式範囲の制限は緩く対象との実力差欠損部位
の希少価値によって効果が変わる
血液は芻霊呪法において決して価値は高くない
だが共鳴りは対象との繋がりを辿る
今釘崎の中にある壊相、血塗の血液は蝕爛腐術
の術式で2人と強く繋がっている。

弟の血塗にもそれは行き届いてる。
タナボタだった。

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