祀り姫は宿儺の器に成り代わる弐【呪術廻戦】

91章、触れてはならぬもの ページ44

領域内で2人を見つめる瞳は、悲しげに揺れており、その瞳は七海と真人の目を釘付けにする。
領域は結界だ。
結界は閉じ込める事に特化したいわば檻だ
外からの侵入は侵入者にメリットがないから容易い。
だが、虎杖悠里のうちには
触れてはならないものがある。

しまっ

後悔してもそれは遅く…
不愉快そうに真人を見下ろすだけだ。

｢言ったはずだぞ？触れるなと｣

天上天下唯我独尊…己の快…不快のみがいきる指針、両面宿儺…彼にとって
七海が死のうと
真人が死のうとどうでも良かった。

好機は虎杖悠里ともう1人…
それ以外は心底どうでもいい…

その瞬間真人は宿儺に切り裂かれ、
その場にうずくまった。

｢あら？宿儺くんお触り禁止みたいだね…｣

｢七海さんは呪術師が生き甲斐なんですもんね！なら、まだ死んではダメですよ……」

｢人は生きようと思うから生きがいを見つけるものですから｣

｢死ぬには、まだ早いです……｣

｢虎杖さん……｣

領域はとけただならぬ呪力消費に
真人は死を確信した。
生き延びた七海と悠里もそれがわかったのか
真人を祓おうと走り出す。
が、走り出した時だ。
悠里の中で呪力の使いすぎか、
はたまた別か息をするのもままならないくらい
の頭痛や痛みが身体中にはしる。

｢ッハアハア…｣

｢虎杖さん？｣

｢っ、私は大丈夫ですｯ…だから真人くん…を……おっ…｣

意識がゆらぎその場に倒れる彼女は七海に真人を追うように頼むが
七海は真人を追うのをやめ彼女を抱え、
すぐさま猪野に連絡を入れる。

｢虎杖さん！しっかりしてください虎杖さん！｣

｢ッ……七海さん私は大丈夫ですッだからッ｣

｢大丈夫に見えません……子供は寝てなさい｣

｢猪野くん本丸が排水口から逃走しました…今ならおそらくあなたでも祓えます｣

私も後で向かいますでよろしくお願いします。｣

倒れた彼女の額は暑く。
七海はすぐさま彼女を抱えながら高専に向かった。

｢虎杖さん…君は…一体何を抱えているんですか…｣

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