祀り姫は宿儺の器に成り代わる弐【呪術廻戦】

78章、愚かな子供 ページ31

人に心なんてない
その考えに救われた力を与えてもらった
でも僕が人を殺す事であの魂が穢れてしまうなら……僕は人を殺せない……
そう思ってたのに…なんで？
どうして…母さんが
誰があの呪物を置いたんだ！！！
なんで！！なんで……
そう吉野の心が壊れた時
真人が彼の肩を抱き言ったのだ

『コネと金さえあれば人なんて簡単に呪い殺せるんだよ……でも良かったね生きてはいたみたいで……』

『だけど、人を呪う事で金を稼ぐ呪詛師は多い……そういう連中の仕業だろう。』

『心当たりはないかい？君や母親を恨んでる人間……もしくは金と暇を持て余した薄暗い人間に』

なら……そいつを呪うしかないよね
でも、吉野に彼女の言葉がチラつく

『人を殺せるのは覚悟があるやつだけだよ』

彼女はきっと強いんだ……けど僕は違う
僕は母さんが何よりも大切だったんだ

真人が帳を下ろし、事は始まる。

「悪いね真人私の残穢を残す訳にはいかないからね帳の効果は？」

「内からは出られない外からは入れる」

「あくまで呪力の弱い人間はだけど」

そこには夏油もおり、夏油は実に楽しげだった。

「夏油楽しげだね？」

「わかるかい？いやー姫が可愛くてね」

「あぁ悠里に会えるんだよねえ！
楽しみだなあ」

「住宅地での事前告知の無い帳……すぐに窓が通報するだろ」

「君が描ける絵図が描けるといいね」

夏油の言葉に真人は今から来るであろう少女とこれからその少女と戦うであろう少年の姿を思い浮かべにやりとした。

「大丈夫じゃないかな？順平が姫を引き当てた時点で流れはできてるから」

「2人をぶつけて…姫の魂を揺さぶり姫から
宿儺を引き剥がす」

「姫は馬鹿じゃないから、宿儺が復活すれば俺たちに抵抗はしないはず」

「姫の中で十分宿儺は復活出来る養分をもらってるはずさ剥がしたらきっと復活くらいしちゃうだろうね?」

真人の顔は実に狂気に満ちていた。
そして夏油にこう質問する。

「でも、順平の母親死んでないし、ま、目覚めるの当分先くらいには重症らしいけど……
指も渡して良かったの？貴重なんでしょ？」

その問いに夏油は高らかに笑った。

「あははっ！そこなんだよ姫のかわいい所はさ」

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