祀り姫は宿儺の器に成り代わる弐【呪術廻戦】

67章、ゆびきりげんまん ページ20

そんな話をされる意中の花嫁は
呪術師といる。

｢ここ最近の失踪者変死者窓による残穢の報告をまとめました。｣

｢これである程度犯人のアジトが絞られます｣

七海の話に彼女は顎に手を当てこう言った。

｢どうします？乗り込みますか？｣

｢いえ……まだある程度です私は調査を続けますので虎杖さんには別の仕事をお願いします｣

｢映画館にいた少年……吉野順平……彼は被害者と同じ高校の同級生達だそうです｣

｢映画館の監視カメラはスクリーンに続く通路のみでしたが｣

｢佇まいからして彼が呪詛師である可能性は低いと考えていましたただ被害者と関係があるなら話は別です｣

｢手順は伊地知くんに任せてあるので2人で吉野順平の調査をお願いします。｣

伊地知は彼女が生きていることを知る唯一の補助監督者であり、彼女はにこやかに彼に笑いかける。

｢伊地知さん……今日もよろしくお願いします！｣

彼女の笑みに伊地知は咄嗟に目をそらす

｢はっはい！｣

そして、彼女は七海の方を振り返り
彼の手を掴んだ。

｢どうしました?まだ何か?……｣

｢七海さん……気をつけてくださいね？｣

彼女のその目に七海は目を見開いた。

｢怪我しませんように犯人に会いに行くんですよね？｣

どうやら目の前の彼女には全てお見通しのようだ。
七海はサングラスに触れながら、深くため息を吐いた。

｢はあ……君は、子供です……わかりますね？｣

彼の言葉に彼女は笑う。そして小指を出すと言った。

｢ふふっそうですね……ついて行きたいですけど、心配するのも、帰りを待つのも
子供の立派な仕事でしょ？｣

｢だから待ちます……任された仕事は頑張りますからね！｣

｢七海さんも優しいですよね？呪術師は優しい方ばかりで困ります。だから強いのかもしれないけど……｣

｢指切りげんまんです！無事帰って来てくださいね？約束です！｣

彼女のペースは掴めない。
七海は目の前の少女の無邪気な笑顔にそっと彼女の出す小指に小指を重ねた。

｢知ってますか？
指切りげんまんは立派な呪術の1種ですよ？……｣

｢え?!普通にしてたんですが……そうなんですか?!……｣

｢私に呪いをかけたのだから、
アナタもせいぜい頑張りなさい｣

七海の言葉に彼女は元気よく扉から出ていった。

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