祀り姫は宿儺の器に成り代わる【呪術廻戦】

33章 、鉄骨娘 ページ35

彼女は、気づいていた。おそらく釘崎側にいる呪いの方が知能的である事に
そのための忠告だったのだが、
釘崎は、呪術師でも無かった彼女の発言は信じてくれないようだ。
だから、彼女はため息を吐きながらしぶしぶ下を祓いに行く。

｢さて、呪くんごめんね？ちょっと早めに片付けさせて?｣

(ヒメダ…ヒメ)

ザワザワと聞こえる声を背に彼女は、呪いを可憐に屠坐魔で切り裂いた。

｢動けるね……私｣

釘崎の方は、たくさんいるマネキンのうち一体のマネキンにいつも使用している金槌と釘をを向けていた。

｢おい！そこの呪い……真ん中のマネキンだよ…それで隠れてるつもり?来ないならこのまま祓うわよ！｣

釘崎は、経験があるから大丈夫だと思っていたのだろう。
だが呪いは地方と都会では強さも知能も桁違いだ。
釘をマネキンに打ち
その釘から呪力を呪いに流す。これが釘崎の呪術のひとつ。
呪力を込められたマネキンが崩れ
釘崎が安堵を浮かべたその目に
1人の男の子がうつった。
釘崎は、その子供に先程の悠里の言葉を思い出す。

確かあいつ人質いるって言ってたわよね？
本当に残ってるやついるなんて

本当にあいつ何者?

｢ほら、もう大丈夫おいで？｣

が、子供は一向に釘崎の方に来ようとしない。

｢子供は美人に懐かないって本当ね……
虎杖呼んでくるか……｣

そう離れようとした瞬間
子供の頭を何かがつかん。ニヤニヤと釘崎を見つめているそれは、呪いだ
知恵をつけたその呪いは釘崎に命の重さの天秤を突きつけた。
クソクソクソ！
こんな呪い全然大したことないのに
、4級せいぜい3級の下の下でしょ?!

それを自覚してるんだ！！
その為の人質作成！！

釘崎の顔に焦りが見え。
合理的に自分が助かる可能性を考える。
だが、彼女は、握っていた釘と金槌を床に投げ落とした。

｢丸腰よ……その子を逃がして、｣

呪いは子供を離すことは無い。諦め呆れ下を向いた時だ。

｢人質いたね！｣

ドーンと壁が崩れ
目の止まらぬ速さで何者かが呪いの腕を切り落とした。

｢男の子げっと！｣

その何者かは、釘崎が苦手に避けた素人のあの少女だ。
彼女を見た瞬間呪いは逃げる
それを見て、彼女はわかったかのように
釘崎に呪いの腕を投げ渡した。

｢野薔薇ちゃんあとはよろしくね｣

外に飛び出す呪い
釘崎は目の前の彼女に少し悔しさを感じながら
呪いの腕の上に取り出した藁人形をおく
そして、呪いを込めて言った。

｢芻霊呪法…共鳴り！！｣

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